遊び、休む権利
コロナウイルス感染が 日本中を震え上がらせている今日この頃。 北海道の感染者増に戦々恐々とした空気が漂っています。 昨日は、政府から全国の小中高校に 異例の長期臨時休校の要請がありました。 さて、今後子どもたちの日常生活は??? 対応に追われる子育て中のご家庭や、 子どもたちのフラストレーションは 想像に難くありません。 しばらくは前例のない混乱が続くかもしれませんが、 こんな時こそたくさん食べて、 寝て、笑って、 免疫力を高めて乗り切っていきたいものです。 ところで皆さんは、 子どもの基本的人権を国際的に保障するための 条約、子どもの権利条約をご存じですか? 日本は1994年に この条約に拘束されることに同意(批准)しました。 【子どもは、休んだり、遊んだり、文化・芸術活動に参加する権利があります。】 その第31条には、 子どもの遊びや余暇を権利として明確に謳っています。 日頃子どもがのんびり、ぼんやりしたり、 遊びふけっている姿を、 好意的に受け止めていますか? 子どもが何かしらの力を蓄えるときには、 いくつかの重要なポイントがあるように思います。 取り組もうとしていることに対して、 自発的であること、夢中になれること、 人に評価されないこと、etc 子どもがある程度 大人の目(監視)から離れたところで、 自分の気持ちのおもむくままに 自由に取り組めるときには、 内なる能力が刺激され、 「もっとやってみたい」という探求心が芽生えます。 どんなことでも、 ドキドキわくわくするような 好奇心や探求心から得られる学びは、 身につく力、その人の人生を支える力になるはずです。本当の学びとは、「喜び」なのだろうと思います。 親や社会から与えられ、 やらされる課題の正解が解けたとしても、 それだけでは自分の生きる道を照らし、 支えてくれる本物の力にはなり得ません。 これからのAI時代に必要なのは、 《正解のない学び》ともいわれ、 学びのプロセスこそが重要だと考えられています。 では、学校で何を学ぶか? 学校は、知らなかったことが分かるようになり、 知ることが「楽しい!」「うれしい!」と 喜びに変わる体験がたくさんできる場 であって欲しいですね。 成績や評価はその副産物にすぎず、 大切なのは意欲や探求心、学ぶ喜びが養われること、 ではないかと考えています。 ワクワク・ドキドキ・ハラハラ、 五感をフル活用するあそび。 そのあそびを通して子どもは多くのことを学び、 育ちます。 子どもたちが遊んだり、 休んだりすることが権利として 保障されなければならない時代に生きているのだと、 そのことを改めて重く受け止めています。 突然の長期休業が 子どもたちにとって負の思い出にならないように。 何かできることはないかと思案しているところです…。 今村江穂(いまむら・みずほ) 1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。 2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。 こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。 2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。 こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。 16歳から24歳までの1男2女の母。 十勝管内芽室町在住。