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 幼稚園教諭や保育士、小学校教諭らは今、「幼児期の終わりまでに育ってほしい10の姿」という考え方を強く意識し始めている。家庭と幼児教育施設や学校が連携して子どもを育んでいくためには、教育・保育関係者だけでなく、保護者も共通認識を持つことが求められる。14日に十勝合同庁舎で開かれた、教育・保育関係者を対象とした研修会「幼児教育を語る会」(道、道教育庁主催)から、「10の姿」のポイントを紹介する。
(丹羽恭太)
【2018年】



/人生を切り開く力/

 「10の姿」とは、今年度から適用されている新幼稚園教育要領や保育所保育指針、認定こども園教育・保育要領で示された考え方。

 今後、さらに人口減少の一方で人工知能・ロボットなどの技術革新が進むことが予測され、子どもたちは、これまでの経験では推し量れない未来を生きることになる。そのような中で、自分の力で人生を切り開いていくためにどのような教育が必要かを示したのが新学習指導要領で、学校教育にスムーズにつなげる基礎となるのが「10の姿」だ。

 幼児教育のプロではない保護者が側聞すると、小さいうちから読み書きを教え、学校の勉強についていけるようにしておかなければ、と誤解しがち。しかし、「10の姿」は授業のような形で身に付けるものではなく、幼稚園や保育所などでは、生活や遊びを通してこれを育むことを目指している。


【写真説明】「幼児教育を語る会」では教育・保育関係者が、「10の姿」を踏まえた幼保小連携の在り方を話し合った


/家庭でも意識して/

 幼稚園などでの活動が「10の姿」のうち何を意識して行われているのかを保護者も知ることが、両者の信頼関係につながると言える。

 また、家庭でも、例えば「優しい子に育ってほしい」「頭の良い子に」などと漠然と願うだけでなく、「10の姿」を少し意識して子どもと接することが、子どもの成長に相乗効果をもたらすかもしれない。

 各種要領や指針の改定に合わせて策定作業が進められている「北海道幼児教育振興基本方針(仮称)」では幼児教育を、幼児教育施設における教育・保育だけでなく、家庭や地域社会など「幼児が生活する全ての場において行われる教育」と定義している。「10の姿」をはじめとする要領・指針の趣旨を、家庭も含め関係者が共有することを目指す。

 また、保護者の資質・能力の向上や、家庭・地域における教育・保育の充実を目指すべき方向性として掲げている。

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