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 乳幼児の事故の中で多いのが誤飲と誤食。特に生後半年から2歳ごろまでは、周りの物を何でも口に入れたがるので危険だ。誤飲で目立つ事例や飲んでしまった場合の対策を調べた。
【2016年3月13日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の肩書き等は掲載当時のものです

医薬品やたばこ、液体洗剤…原因で対応さまざま

 厚生労働省の「家庭用品等に係る健康被害病院モニター報告」(2013年度)によると、子供が誤飲した原因製品で最も多いのが「医薬品・医薬部外品」。「たばこ」が長年トップだったが、喫煙率の減少で順位が逆転した。

 医薬品等は薬理作用があり、重い健康被害が発生した事例もあるので注意が必要だ。本人ではなく家族に処方された薬を誤飲する例が目立ち、自らふたや包装を開けて薬を取り出せるようになる1~2歳児に多い。

 薬をテーブルや棚の上に放置するなど、保管が不適切な場合に発生している。シロップなど飲みやすい味付けのものは、子どもがおいしいものと認識し、冷蔵庫から取り出して大量に飲んでしまうケースもある。

 たばこは6カ月から1歳前後の子どもに集中している。1人で室内を移動できるようになる時期で、この時期を過ぎると急激に減少する。誤飲するのは、未使用のたばこ、たばこの吸い殻、たばこの吸い殻が入った空き缶や空き瓶の液体の順に多い。

 この他、「プラスチック製品」「おもちゃ」「金属製品」なども報告例がある。洗剤はおいしくないので大量に飲めないが、近年発売されている洗濯用パック型液体洗剤「ジェルボール」は飲み込んでしまう危険性がある。

 飲んでしまったらどうしたらよいのか。原因製品により対応が違うので注意を。救急車で病院に搬送する必要があるのは、防虫剤や抗うつ薬、たばこが浸った灰皿の水など=表参照。


 中毒を引き起こすものは牛乳か水を飲ませて吐かせるのが基本的な対処法。ただトイレ用洗剤、灯油、マニキュア用除光液などは、食道に熱傷を起こしたり嘔吐(おうと)物が気管に入り肺炎を起こしたりする恐れがあるので、吐かせてはいけない。

 飲み込んだものを手術などで取り除くには全身麻酔を行う。帯広厚生病院小児科主任部長の植竹公明医師は「自然排便できるサイズなら『待つ』ことは多い。必ずしも受診しなくてよい場合もある。総合病院などに電話で相談し、判断をあおぐのがいい」と話す。

 日本小児科学会のホームページにあるサイト「こどもの救急」には、誤飲物ごとの対処法が掲載されている。夜間や休日など診療時間外に病院を受診するかどうか判断の目安になる。
(安田義教)

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