「センス・オブ・ワンダー」を磨こう
レイチェル・カーソン著『センス・オブ・ワンダー』は、子どもたちがまだ小さかった頃に出会い、子育てでもっとも影響を受けた本の一冊です。
「神秘さや不思議さに目をみはる感性」と訳され、
子どものそばで感動を共にする大人の必要性を訴えています。
(感性;物事を心に深く感じ取る働き。感受性。)
当時、幼稚園の送迎バスの停留所までのわずかな道のりでさえ、どんぐりから芽を出した木の芽の赤ちゃんに感動したり、雨の日には水滴にぬれた美しいクモの巣を発見したり、子どもと一緒に驚きあったことが懐かしく思い出されます。
自然の中には無数の素敵な発見があり、
心躍る感動や喜びにあふれています。
特別な場所に出かけなくても、
見ようとする心の目があれば、日常の中にも自然はあふれています。
子どもに何かを教えようとするのではなく、
折々に自然が見せてくれる神秘や感動を一緒に発見し、
共有することが大切なのです。
我が子たちが成長した今では、
畑で見つけたアゲハチョウの幼虫を飼い、
羽化して飛び立つまでを見届けたり、
カタツムリを繁殖させたり、
小さな観察ケースの中のドラマを周囲の子どもたちと一緒に楽しむことも密かな楽しみの一つ。
ぷれいおんでは、季節ごと自然の中での遊びを体験する《はらっぱくらぶ》の活動も行っています。
十勝ははっきりとした四季があり、
自然の豊かさや厳しさを肌で感じられる土地柄。
寒い冬の日も、親子で雪遊び、そり遊び、キツネやシカや鳥たちの足跡探しができるのも雪原ならでは・・・。
著書の中でレイチェルは、
『子どもたちが出会う事実のひとつひとつが、やがて知識や知恵を生み出す種子だとしたら、さまざまな情緒や豊かな感受性は、この種子をはぐくむ肥沃な土壌』
だといいます。
「・・・・雲からも風からも透明な力がその子どもにうつれ・・・・」
かつて、宮沢賢治の作品の中にあるこのフレーズに出会ったとき、言い知れぬ感動を味わいました。
今や、多くの子どもたちとのかかわりの中で、
《透明な力》の存在がより確かなものに感じられます。
みなさんも自然からの贈り物を探しに、
しっかりと身支度をして戸外へ出かけてみませんか。
今村江穂(いまむら・みずほ)
親子に質の高い観劇の機会や遊び場の提供、帯広市のファミリーサポート事業を受託する、NPO法人子どもと文化のひろば「ぷれいおん・とかち」(帯広市西20南5)の理事長。
1967年、北九州市で生まれる。97年、帯広へ転入。22歳の長女(社会人)、18歳の次女(大学生)、14歳の長男(中学3年生)がいる。
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