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 親は、子どもの希望や夢をかなえるために存在するのではありません。親ができるのは子どものサポートで、希望や夢を実現していくのは、子ども自身です。今の日本では、子どものために全力で何かをやってあげることこそが愛情であるかのように考えている親が多いように思います。

 「あなたはなぜ勉強するのですか」という質問に、(1)親を喜ばせたいから(2)お母さんが怒るから(3)親に怒られないようにしたいから-と答えるのは日本の子どもだけだそうです。これは、子どもが親に依存している姿の表れでもあります。

 幼いうちから子どもが判断できることは、子どもに決めさせることが大事です。自分で決めたのだから責任があるということを教えることができます。「何をやりたい?」「どうしたい?」と問い掛けて、生活させることが、自立した子どもを育てていく一つの方法です。

 親が何でも決めてしまい、そのレールの上を走らせている子育てをたくさん見てきました。幼いうちはごまかしが利きますが、成長するにつれて、うまくいかないことが多くなってきます。

◆◆◆◆◆
2019年に十勝毎日新聞で連載した上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)です。

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