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 帯広児童相談所(児相)が2019年度に対応した児童虐待は257件で、過去最多だった18年度の296件を下回り、3年ぶりの減少となった。虐待の約半数を占める心理的虐待と、次いで多い身体的虐待は共に減少した。
【2020年11月23日付十勝毎日新聞に掲載】

 類型別では、親が子どもの前で配偶者に暴力を振るうなど、子どもが家庭内暴力を目の当たりにする「面前ドメスティックバイオレンス(DV)」などの心理的虐待が153件(前年度比24件減)、身体的虐待57件(同19件減)、ネグレクト(育児放棄)46件(同4件増)、性的虐待1件(前年同数)だった。

 通告の経路別では、警察が131件と最も多く、市町村が28件、学校16件、家族14件、近隣・知人13件と続いた。

 児相の児童虐待の対応件数は近年、社会的な関心が高まり通告件数が増えていることに加え、警察との連携体制の強化により全道・全国的に増加している。厚生労働省が18日に発表した全国の児童相談所の虐待対応件数(速報値)は、前年度比3万3942件(21・2%)増の19万3780件(北海道6396件)で、29年連続で過去最多を更新した。

 また、昨年度末から今年度にかけては新型コロナウイルスの感染拡大による緊急事態宣言などを受け、自宅待機の時間が増え、ストレスから子どもへの暴力が増える恐れや、学校が休校となったことで、児童虐待が発覚しにくくなるといった懸念も指摘されている。

 今年度はこれまで、帯広児相での虐待対応件数は増加傾向にはないものの、同児相は「警察や学校など関係機関との連携体制を充実させ、きめ細かな対応をしていく」(七條公英地域支援課長)とし、虐待が疑われるケースに遭遇した場合などの全国共通の相談電話「189(いちはやく)」の利用を呼び掛けている。

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