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 十勝毎日新聞編集局政経部の丹羽恭太記者が、2017年12月末から18年3月までの3ヶ月間、育児休暇を取得します。十勝毎日新聞社の男性では2人目です。今後、育休生活を記事にして随時掲載します。

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 長男(1)の子育てのため、昨年12月末から育児休業生活に入って1カ月。子どもとたっぷり関わる時間を楽しんでいる半面、育休に対して抱いていたイメージと現実のギャップを痛感する毎日となっている。
(丹羽恭太)
【2018年1月28日十勝毎日新聞に掲載】

/こだわる暇なし/

 オーガニックな離乳食でおなかを満たされ、すやすやと昼寝をする息子の寝顔を、父親の優しいまなざしで見守りながら、読書にふける。目覚めたら2人で、女子の多い小じゃれたカフェにでも出掛け、コーヒーカップを傾けながら“イクメン”な自意識を満足させる-。男の育休に対してこんなイメージを抱いていた1カ月前の自分が懐かしい。

【写真説明】1人増えて重くなったそりに喜びを覚えつつ、「長女のときに育休を取っていたら、もっと楽だったかもな」と思わずにはいられない

 男の育休というと聞こえは良いが、要するに“主夫”である。起きている間は遊ぶか、食べるか、泣くかしかない長男が、昼寝をしているわずかな隙間は家事の時間だ。というのも、午後の早い時間に長女(7)が小学校から帰ってきてしまうと、宿題を見て、習い事の送り迎えもしなければならない。次女(5)を保育園から連れ帰った後は、ピーチクパーチクしゃべり続ける娘2人の相手が最大のハードワークとなる。

 娘たちが帰ってくるまでに、家事を片付けなければならず、長男だけのために使える時間なんてほとんどない。当然、離乳食にこだわっている暇もない。大人と同じ物を与え、翌日のウンコを見て「ちょっと大きすぎたかな、固かったかな」と反省する。

/手にあかぎれが…/

 出掛ける先はカフェではなくスーパーばかり。夕飯の食材と、長男のライフラインであるバナナとミカンを買うために。スーパーに行くのに女子の目を意識しても仕方がないので、息子の鼻は鼻水でカピカピ、私はひげボーボーのままである。

 細切れの時間で家事をするためか、手を洗う回数が多くなり、育休生活に入って間もなく手がかさつき出した。2週間も過ぎた頃には、右手中指の第二関節にあかぎれもできた。保育園に次女を迎えに行くと、「とおとの手、なんかタマネギくさい」と言われる始末。自分の手の臭いをかぎ、中指のペンだこと、あかぎれを見比べて、育休の現実を実感している。

/つかの間でも解放を/

 自分の時間など持てるはずもなく、生活の全てが子どもたちを中心に回っていく。日に日に歩くのが上手になり、階段はもちろん、胸の高さほどのいすにも器用に上るようになった長男が起きている間は、ゆっくり用も足せない。仕方なく一緒にトイレに入り、長男に見詰められながら踏ん張ることになる。

【写真説明】雪遊びを楽しむ子どもたち。長男以上に2人の姉に手を焼くこともあるが、長男の面倒を見る戦力にもなってくれる


 午後7時ごろに妻が仕事から帰宅すると、心の底からほっとする。大人の目が増え、子どもたちの甘える対象が母親に移ってくれるので、こちらはようやく緊張を解くことができる。そんな一日を過ごすと、どっと疲れが湧いてくる。仕事とは全く質の違う疲労感だが、「主婦は重労働」ということが痛感できる。

 育休生活を1カ月経験してみて、世のお父さんたちにこう言いたい。特に子どもが小さいうちは、育休を取らないまでも、せめて早く家に帰ろう。そして、つかの間ではあっても、奥さんを育児から解放しよう。無駄に飲み歩いていたり、家に居てもぼんやりスマホをいじっていたりしたら、奥さんの恨みを買うことは間違いないだろう。

/ご意見募集します/

 ご意見、ご感想を「子育て取材班」までEメール(kosodate@kachimai.co.jp)でお寄せください。

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