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集団生活 ゆっくり見守って 幼稚園・保育園デビュー

 幼稚園や保育園(所)の入園シーズンが終わって一安心する間もなく、親子離れての生活に不安を抱えているママは多いはず。とは言え、慣れない環境に戸惑いを感じているのは子どもも同じ。居場所が家庭から集団生活に移行する“つなぎ目”の時期の、わが子への寄り添い方について、保育士歴39年の中村友子さん(59)に聞いた。
(小縣大輝)
【2016年4月17日十勝毎日新聞に掲載】
※文中の肩書きや年齢などは掲載当時のものです。

 中村さんは1日に開園した「音更認定こども園」(白木幸久園長、園児184人)の副園長。園内に併設する子育て支援センターのセンター長を兼務し、親子に関するさまざまな相談に対応している。
【写真説明】音更認定こども園で遊ぶ子どもたち。初めての集団生活も子どもの自立の第一歩

/ママから不安の声/

 入園式から2週間が経過したが、“新米ママ”からは「好き嫌いなく給食を食べているのか」「うちの子はじっと座っていられない…」など、生活面での不安の声を耳にする。

 付きっきりだった親の手を離れ、その日のスケジュールがきっちりと割り振られた中での生活は子どもにとって未知の世界。生まれて初めての集団行動であることを前置きした上で、「まずは時間をかけて見守ること。少しずつ周囲の環境に適応してきて、自ら動く自主性も身に付いてくる。結果的に子どもの自立の第一歩につながる」という。

/3歳になれば…/

 友達関係も不安の種。友達の輪に入れず距離を置いたり、言うことを聞かずに泣きわめいたりする場合もある。「活発な子がいれば、ちょっぴり泣き虫な子とさまざま。2歳までは自分の世界に入って他人を寄せ付けない傾向があるが、3歳になれば『この子となら気が合いそう』と、友達が自然にできて遊んでいることが多い」と説明する。

 子どもの成長については、「発達には個人差がある。他の子と無理に比較せず『わが子はわが子』という心持ちで成長を見守ってほしい」とアドバイスする。

 音更こども園では玄関前に、その日の主な出来事をつづったボードを置き、園児の様子を写した写真も張り出して、来園者に「見える保育と教育」を実践している。

 中村さんは「1人で育てる子育てではなく、皆で育てる子育てにしよう-がわが園のスローガン。親と保育士が密に関わるだけでなく、地域も一緒になって子どもを支える環境を築くことが重要」と強調している。
【写真説明】「子どもの発達に個人差はある。焦らないで」とアドバイスする中村さん

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