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くらべない、あせらない、いそがない

新学期がスタートしました。 ご入学、ご進級のみなさん、 おめでとうございます。 まだお父さんお母さんの傍らで 一日一日をのんびり過ごせる小さい子どもたちも、 春はピカピカ輝いて いつもより少し大人びて見えるようです。 先月、 我が家の末息子が晴れて大学生になり、 家を出ました。 長女が生まれて以来 26年余りの子ども中心の生活に終止符。 私にとってもまた新しい春が訪れました! さて、 そんな話がずっとずっと はるか遠い先のように思えている皆さんへ。 あなたの子どもは、 あなたの所有物ではありません。 (私は、天からの預かりものだと思っています。そう思うと、どの子も同じくらい大切な存在に思えてくるのです。) 一見未熟に映る子どもたちは、 一人ひとりがみんな違った個性を持ち、 唯一無二の可能性を秘めています。 子育ては、 名もない苗木を大切に育て、 花を愛で、 実りの日を楽しみに待つ心持ちに似ています。 ときには横殴りの雨や風や、 嵐に見舞われることだってあるけれど、 慈しみ栄養を与えながら、 光のさす方へと伸びゆく姿を待つ日々です。 どんな花を咲かせるのか、 どんな実をつけるのか、 ひたすらに祈ることだけが 親の務めではないかと振り返っています。 冒頭のおまじない、 子どもたちがたっぷりとお世話になった 幼稚園時代の先生が教えてくれました。 よその子と比較して 我が子を見ることに全く意味はありません。 オンリーワンの我が子の存在を受け止めて、 丈夫な根を張り、 太い幹が育つように 支えていきたいですね。 嵐が過ぎるのを待つには、 分かち合える人の存在が必要です。 雨の日も風の日も 一緒に支え合えたぷれいおんの仲間や、 子どもにつながり出会えた さまざまな人たちに、 今しみじみと感謝の思いです。 今村江穂(いまむら・みずほ) 1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。 2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。 こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。 2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。 こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。 16歳から24歳までの1男2女の母。 十勝管内芽室町在住。

今村江穂
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