【子育てニュース】子育て休職中でも仕事。在宅で介護・看護業務~帯広の「看しずく」
帯広市内で福祉事業を手掛ける一般社団法人「看(か)しずく」(西2南24)は、介護・看護資格を持つ子育てママが在宅で働ける仕組みを導入した。東京の医療ITベンチャーと業務提携し、全国で在宅医療に当たる医師のカルテ記入を遠隔で代行できるよう整備した。同法人は、介護・看護の有資格者について在宅でカルテ記入代行を行う環境を整えたのは十勝で初めてとしている。 【2019年09月26日付十勝毎日新聞に掲載】 【写真説明】事務所内で作業する横濱さん(右)とリモート業務の職員。今後は育児中のママもスタッフに /カルテ記入代行/ 同法人は2016年に設立。看護師として帯広厚生病院や市内のデイサービス事業所で勤務経験を持つ横濱由奈さん(30)が代表理事となり、一般的な介護事業所では受け付けていない介護保険対象外の病院での受診付き添いや、買い物代行などをサービスの軸に据え、設立した。現在は1日10件以上の訪問介護や、グループホームの依頼によるみとり介護など業務の領域を広げている。 横濱さんは、ぎっくり腰で訪問業務に従事できない女性職員にも働き続けてもらえるような仕事を探す中で、在宅医療事務のアウトソーシングを手掛ける「クラウドクリニック」(東京)の取り組みを知った。 訪問介護・看護のスタッフは訪問から事務作業までを1人で行う場合もあり、業務負担の軽減を求める声が現場から上がっている。5月から同社の業務委託を受け、現場の医師の判断を基に、システム上でカルテ作成を補助する業務を試験的に導入した。 /キャリア継続を/ 今後は事務所内や在宅で完結する業務として、介護・看護資格を持つ育児中のママも3~4人、スタッフとして雇用する考え。横濱さんは「女性は出産、育児でキャリアを分断せざるを得ず、法改正が頻繁にある福祉業界に戻りづらくなってしまう。『子どもが寝付かないので夜に家で仕事をします』といったスタッフの声にも応えられる、柔軟な働き方を提供したい」と話している。 クラウドクリニックの事例を紹介し、全国4カ所をテレビ電話でつなぐ「あなたの理想を叶(かな)える働き方セミナー」が、10月24日午前10時から音更町の木野コミュニティセンター(木野西通8)で開かれる。参加無料。申し込みは同法人(kashizuku.cc@gmail.com)へ。