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 子どもにスポーツをやらせたいが、体が発達していない未就学児だと、何から始めたら良いかと悩む保護者は少なくない。こうした中、2歳前から遊び感覚で挑戦できるスポーツとして、地面を蹴って進む「ランバイク」が人気を集めている。【2023年9月28日付、十勝毎日新聞より】


 「もっと蹴って、バイク押して! 追い付けるから、諦めない!」。大人たちの熱い応援と指導の声が響く練習場で、小さな体のライダーたちが夢中で地面を蹴る。直線ではこん身の走りで加速し、コーナーではオートレーサーさながらのターン。ライダーは2歳前から12歳の子どもたちだ。

 広尾町を拠点に活動する「ESPOIR tokachi(エスポワール・トカチ)」は、2019年に坂本渉代表(41)がわずか4人のメンバーで立ち上げた。広尾から大樹と町を越えてメンバーが集まり、今では子ども30人が参加している。昨年には帯広支部も開設した。

 娘の美波音さん(9)が全日本選手権で女子トップに輝くなど実績を残すチームだが、「会費はもらっていない」と坂本代表。ゆくゆくは会費制の教室にと考えているが、「今は自分の子どもの指導で精いっぱいなので」と笑って話す。

 練習は5月から11月のほぼ毎週末、旧広尾シーサイドパーク駐車場で午前10時から2時間実施。ラジオ体操に始まり、ジョギングやジャンプをしてからバイクにまたがる。右回り、左回りのカーブにスタートダッシュ、簡易コースの疾走と、小まめな水分補給を挟みながらも密に練習する。

 3人の子どもを連れて参加する広尾町内の鯖江夢香さん(30)は、「2歳になる少し前に始め、バランスや体幹が鍛えられて良い運動になっている」と話す。娘の真帆ちゃん(3)は自宅でも練習に励み、7月に同練習場で開かれた大会「エスポワールカップ」で2位に輝いた。

 坂本代表は、「ランバイクで小さいうちに鍛えた体幹や、負けたくないという精神力は、どのスポーツでも役に立つ」と魅力を語る。目標は多くの子どもを全国大会に送り出すこと。「初めはバイクを貸し合ったりもできるので、ぜひ挑戦を」と呼び掛けている。

 経験の浅い子どもにも勝利の喜びを知ってもらうため、11月3日には「優勝未経験レース」の開催も予定している。問い合わせは同チームのホームページから。(柳田輝)


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