【男記者の育休体験記II③】子ども、適度な距離感必要。いつも一緒…親離れ不安~支援センターで社交的に
当たり前だが、育児休業中は1日の大半を、家で子どもと過ごすことになる。仕事をしていると得がたい時間であることには違いないが、2人だけの時間がここまで長いことが、果たしてお互いの精神衛生上、良いのだろうかという疑問が湧いてこないでもない。
(丹羽恭太)
【2018年2月25日付十勝毎日新聞に掲載】
【写真説明】親から離れて勝手に遊ぶ子どもたち(音更町の子育て支援センター「すずらん」で)
昨年末、長男が1歳になったタイミングで仕事に復帰した妻とバトンタッチで育休生活に入り、間もなく2カ月。日々、成長する子どもの姿を間近に見られて毎日新鮮なはずだと自分に言い聞かせても、正直、ときに飽きを感じることも否定できない。
育休に入った直後は長男と全力で楽しく遊んでいたが、こちらの慣れもあって、対応がややおざなりになることも。テレビで平昌オリンピックを見ているときにおもちゃでも持ってこられると、「はいはい、楽しいね~」などと軽くあしらってしまう。
長男は敏感なもので、真面目に遊んでくれない父にご立腹。みるみる機嫌が悪くなり、そこに空腹か眠気でも重なろうものなら、おもちゃをたたき付けたり、床に頭突きをしたりして抗議してくる。全身を使って怒る様子に、長女(7)や次女(5)と違ってやっぱり男の子だなぁ、などと妙に感じ入りつつ、遊びに手を抜いたことに反省しきりの毎日だ。
/親父が猫なで声…疑問/
そして、「ゴメン、ゴメン」と長男を抱っこして怒りを鎮めつつ、「いや待てよ」と私は思うのだ。こんなに父と息子がべったりで良いのだろうかと。もちろん、まだ1歳なのだから親に甘えることは大切なことだと思う。ただ、四六時中、父が猫なで声を出して遊んであげていて、彼はまっとうな男に育つのだろうか。いや、そんな将来のことはさておき、4月からは保育園に通うことになるのに、このままで果たして親離れできるのだろうか。
そんな思いもあり、日中はなるべく長男を外に連れ出し、いろいろな環境を経験できるよう意識している。しばしば行くのが帯広市児童会館。幼児向けの遊び場はもちろん、滑り台なども小学生のいない平日なら思う存分使える。長男はたいてい全力で2時間ほど遊ぶので、その後はたっぷり昼寝をしてくれる。
最近は、居住地の音更町の子育て支援センターも利用させてもらっている。過去の取材で、利用者はママばかりというセンターの様子を見たことがあったので、私にとっては少々ハードルが高く、門をくぐるときは“公園デビュー”のような心境だった。
/センターは垣根低く/
しかし、少なくとも私が利用した複数のセンターでは、ママ同士が妙に群れる様子もなく、それぞれ子どもを遊ばせつつ、適度な距離間を保ってコミュニケーションを取っている感じだった。もっとも、仮にママ友グループが出来上がっていても、そもそも場になじまないパパがそれ以上浮くことはなく、気にはならないだろうが。
何よりも良かったのは、センターでは長男が私にベタベタとまとわりついてこないことだ。他の友達が遊んでいる様子を観察して自分もまねしてみたり、センターの保育士さんや他のママたちに遊んでもらったりしている。保育士さんに「上手に遊んでますね」なんて言ってもらえると、4月からの保育園通いも大丈夫かもと思えてくる。
各自治体のセンターでは、初めて利用する人を対象とした時間を設けたり、子どもの年齢を限定したり、各種イベントを企画したりして、利用しやすいように工夫している。子どもと2人きりの時間を持て余しているママ・パパは一度利用してみては。
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