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 父親の積極的な育児参加を促すため、多くの自治体が「父子手帳」や「父子健康手帳」などと呼ばれる冊子を配布している。
子育てにおける父親の役割、具体的な育児のこつなどをまとめている。
第3子(1カ月)が誕生したばかりの記者が、各地の父子手帳と照らし合わせて、わが育児を検証してみた。(丹羽恭太)

【2017年1月29日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです。

【写真説明】帯広市が配布している「おびひろ父子手帳」。管内で独自に作成しているのは市だけ


◆妊娠中

 妻の体の負担を考慮し、積極的に家事や上の子の育児に携わるよう促す記述が多い。
共働きのわが家では、もともと家事を分担しているが、妊娠中だからといって意識的に分担の比重を変えることはなかった。
もう少し意識的に自分の負担を増やせばよかったかなと、反省。

◆出産

 多くの父子手帳が、分娩(ぶんべん)に立ち会うかどうかは別として、陣痛が始まったらできるだけ妻に付き添うよう勧める。
子ども3人の出産に付き添ってみての実感として、
その通りだと思う。
病院までの搬送、荷物持ち、陣痛の間隔計算、
腰のマッサージなど夫がやれることは結構ある。
この時間を妻にひとりで過ごさせていたら、
恨み節がしばらく続いたことだろう。

◆育児

 授乳以外で夫にできないことはないとして、
スキンシップやおむつ交換のこつ、
意外と力仕事の沐浴(もくよく)の方法などを解説する手帳が多い。
第1子では抱っこひとつでもオロオロしたが、
さすがに3人目ともなるとわれながら手慣れたもの。
ただし、沐浴させるのは4年半のブランクがあったこともあり、赤ん坊の顔をちょっと水に浸してしまったのはご愛嬌(あいきょう)。

 手帳によって、母親は赤ん坊に手が掛かるので、
父親が上の子どもの遊び相手を積極的に務めるべしとの記述もある。
しかし、個人的な実感として、これは少し違うと感じる。
上のきょうだいは父親と遊ぶだけでは満足せず、
母親にも構ってもらいたい様子がありあり。
むしろ父親はできるだけ赤ん坊に関わり、
母親が上の子どもと触れ合える時間をつくるよう意識するぐらいがちょうどよい気がする。

◆仕事との両立

 中には父親がしっかり育児に関わるために、
ワークライフバランスを考えるようアドバイスし、
育児休業制度などを紹介する手帳もある。

 子どもたちとの掛け替えのない時間を思うと、
育児に携わるのは父親の義務ではなく、
権利なのだとつくづく思う。
その権利を行使、拡大していくことが、記者のこれからの育児の課題だ。


/独自作成は帯広のみ 8市町村で配布/


 十勝毎日新聞の調べでは、
管内で「父子手帳」に相当する冊子を配布しているのは帯広、音更、新得、池田、足寄、中札内、更別、広尾の8市町村だった。

 帯広市では独自に作成した「おびひろ父子手帳」を配布している。
育児への父親の関わり方を解説している他、市の子育て支援制度、急病時の連絡・相談先などをまとめて掲載している。

 町村は既製品を購入して配布している。
自治体独自の施策など地域性のある情報は掲載しづらいが、出版社が作成しているため見やすい。
広尾町は既製の手帳と合わせ、町内の高い喫煙率を踏まえて、父親の喫煙が母子に与える影響などを解説したプリントを挟み込んでいる。

 鹿追町は「父子手帳」を配布していないが、
父親の育児について解説したページのある母子健康手帳を採用している。

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