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子どもが成長発達する上で、遊びのための「時間」「空間」「仲間」の3つの間が大切だと言われます。
また、ヒトは他の動物とは異なり、多くの人と交わりながら暮らしを営むから「人間」という言葉になりました。
「間」には交わるという意味もあるようです。

さて、これまでテレビ、ビデオ、ゲーム機、ケータイ、スマホ、と子どもが夢中になるような電子機器が次々と登場しました。
正に、“与えては奪われる”の繰り返しです。

何を奪われたか?
子どもが人と交わって自然の中で遊ぶ、自由な時間。
大切にしたい、「時間」「空間」「仲間」のすべてが含まれていることにお気づきでしょう。

その結果、子どもたちは、子どもらしいはつらつさを失い、意欲がない、関心がない、無感動。知力も体力も感性も低下した“間ぬけ人間”とも揶揄されます。
良かれと思って与えたはずが、子どもの健やかな成長発達を阻害してしまう側面もあるということです。

かくして、本来子どもが持っている発達の可能性を十分に引き出すためには、遊びや人と人とがコミュニケーションできる「時間」も「空間」も「仲間」も、意図的に創り出さなければなりません。
子どもと電子メディアとの適切な接し方を心得ておくことも必要でしょう。

最近“女性の活躍”なんていうスローガンにからめとられて、子育ての省力化、簡便化の空気感が漂っていることに、大きな違和感を覚えます。
こんな時代だからこそ、「手間」も「ひま」もかけて子どもが心豊かに育つための環境を整えることが一層大事になっているのに。

 小さい子どもとの生活は予測不能で、ただでさえ疲労困ぱい、という悲鳴が聞こえてきそうですが、
3歳ぐらいまでの親子のかかわりが人格の基礎、土台をつくります。
手間ひまかけて愛情を注げる時間を愛おしく感じて欲しい。
そうして愛着関係ができた子どもが、自分自身の力で上手に自立していく姿を見ることは、なにより大きな喜びに代わるからです。
 
 さあ、やるからには楽しく、共感しあいながら!
そのためのサポートができたら、と日々楽しく奮闘しています。


今村江穂(いまむら・みずほ)
親子に質の高い観劇の機会や遊び場の提供、帯広市のファミリーサポート事業を受託する、NPO法人子どもと文化のひろば「ぷれいおん・とかち」(帯広市西20南5)の理事長。
1967年、北九州市で生まれる。97年、帯広へ転入。22歳の長女(社会人)、18歳の次女(大学生)、14歳の長男(中学3年生)がいる。

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