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 新型コロナ感染拡大が始まって、2年目の春。よもやの北海道緊急事態宣言発令で、ぷれいおんの一大イベント森のこどもらんどは2年連続の中止に追い込まれてしまいました。

 コロナ禍のストレスを少しでも発散できるような、心にも体にもやさしい一日になるようにと、会員が協力し合って準備してきたのですが…。何度も何度も計画が打ち砕かれて悔しい思いをしながら、それでもなお、諦めずに前を見つめています。

 私たちが簡単にはへこたれないのは、それなりの理由があります。

 感染拡大から丸一年が経過し、コロナ禍の子どもや子育てへの影響が徐々に明るみになってきました。

 まず、産後うつのある可能性のある母親が倍増しているという調査結果。感染防止の観点から、母親学級や産前産後のメンタルケアなど母子保健に関わるサービスが低下していることが要因と言われますが…。

 また、北海道大学川田学准教授は、「目には見えないウイルスへの科学的な理解が難しい幼児は、あそび環境に制約を受けたり、過剰な恐怖心を抱き易く、約2割の幼児に軽度のうつ症状がみられた」と指摘しています。「人や物に接する機会が過剰に制限されたり、さまざまな行事などの文化的な生活を体験する機会が減少した結果、人間関係と人間発達へのダメージが深刻、かつ長期化するのではないか」という懸念。さらには、文部科学省が公表した「コロナ禍における児童生徒の自殺に関する現状」では、昨年の児童生徒の自殺者数は過去最多の479人(前年比140人増)と報告しています。虐待も不登校もいじめも増え続けています。
 
 こうした子どもを取り巻く問題は、コロナ禍になって、それ以前からの社会の課題がより鮮明に可視化されてきたようにも思えます。真に子どもの健やかな成長・発達を願い、子どもに温かいまなざしを注げるような社会ではないことのひずみが、今、噴出しているように思えてなりません。

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今村江穂(いまむら・みずほ)
1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。
2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。
こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。
2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。
こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。
16歳から24歳までの1男2女の母。
十勝管内芽室町在住。


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