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 4月からあっという間に2カ月たちました。新たな友だちや先生、そして学びとの出会いに、心をおどらせている人も多いのではないでしょうか。その一方で初めての環境(かんきょう)に不安を感じたり、変化にうまくなじめなかったりする人もいるでしょう。大型連休前に頑張(がんば)ってすごしていた人は、疲(つか)れがたまってしまったり、気持ちが苦しくなってしまったりもします。そんなとき、「学校に行くのがつらい」と思うこともあります。今回は、そんな人たちにぜひ紹介(しょうかい)したいことが二つあります。(教材作成委員・西村弦)【2022年06月01日付十勝毎日新聞社に掲載】

 一つ目に、自分を責めないでください。音更(おとふけ)町で「心のサロンスマイリー代表」としてカウンセリングやコーチング、親や子どもの居場所づくりなどの活動をされている佐々木祥子(ささき・しょうこ)さんは「自分がどんな自分であろうと、とても大切な自分です。学校に行くのが苦しい自分を責めないでください。あなたが変わる必要はありませんよ。苦しい時は休みましょう」とアドバイスしています。

 自分の思いをうまく伝えられない時は「言葉以外の方法で表現することもオススメです。たとえば、音楽や絵で表現したり、自分が好きなことをする時間をつくったりしてみてください。そうやって思いを外に出すと、気持ちを落ち着かせることができますよ」と、佐々木さんは教えてくださいました。

 二つ目は学校以外にもみなさんの居場所があるということです。例えば音更町には、ふれあい教室「ほっと」という場所があります。ここは、いろいろな理由で学校へ登校することが難(むずか)しい子どもを対象にした居場所です。指導員の白石友柄(しらいし・ともえ)さんは「学校に行けない自分はだめな自分だと思ったままでは、明るい未来に向かうことは難しくなります。そんな時は学校以外に自分らしく過ごせる場所や人を見つけてください」と話します。

 「ほっと」はそれが実現できる場所です。「今の自分でOK!と思えれば、きっと未来を考えることが楽しくなります」と話してくださいました。このような施設(しせつ)が十勝管内には他にもありますので、ぜひ調べてみてください。

 最後に、この記事を読んだみなさんにお願いです。もし「学校に行くのがつらい」と思ったら、ぜひそのメッセージをだれかに届(とど)けてください。おうちの人、親せき、学校の先生、友だち、いろいろなホットライン電話、どれでもかまいません。悪いことをしているわけではないのですからね。そして、もしあなたの友だちが苦しんでいたら、この記事のことを紹介してください。その人のつらさをすぐになくすことは難しいですが、少しずつ和(やわ)らげることはきっとできますよ。



<教材作成委員からひとこと>
◆下音更小学校 西村弦先生
 わたしは昔、学童保育の指導員をしていました。そこには学校には入れないけれど、学童保育の部屋には入れる子どもがいました。その子にとっては、学童が「安らぎの場所」だったのだと思います。今では、自分が進みたい道で、充実(じゅうじつ)した日々を送っています。しかし、学校の先生になってから、「学校にいくのがつらい」と相談されても、「どうして?」と理由を問いつめたり、「みんなも頑張っているよ」と無理をさせるような声をかけてしまったりしたことがありました。そんなことを言われたらもう相談しようとは思えないですよね…。本当にひどいことをしてしまったと後悔(こうかい)しています。今でも、自分の価値観や考え方を相手に押し付けてしまうこともあるので、できる限り相手のことを考えて行動しようと心がけています。今回の取材は、あらためて「小学校の先生」である今の自分に、何ができるかを考える機会になりました。

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