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 講習を受けた会員が子どもを預かったり、習い事の送迎などを行う「帯広ファミリーサポート事業(ファミサポ)」を利用する人が増えている。一方で、預かる側の人手が足りず、高齢化も悩みの種だ。関係者は「地域の中で子が育つという理解が広がり、支援する人が増えてくれたら」と望んでいる。【2022年05月27日付十勝毎日新聞社に掲載】

 ファミサポは、子育てを地域の会員同士で支え合う組織。サポートを受けたい利用会員と、サポートをしたい提供会員、その両方に登録する両方会員からなる。利用会員は生後57日~小学6年までの子どもの保護者が対象で、一時預かりや送迎、短時間の休暇など幅広く利用できる。

 帯広市からファミサポ運営の委託を受けているNPO法人「子どもと文化のひろば ぷれいおん・とかち」は、2013年9月に事業を開始。利用会員は年々増え、当初と比べると約7倍に。コロナ下では、一対一で見てもらえる安心感や、在宅ワークが増えたことなどを背景に用途にも変化があり、援助件数は昨年度1510件とコロナ前と比べて約300件伸びた。

 帯広ファミサポアドバイザーの羽賀陽子さん(ぷれいおん・とかち事務局長)によると、子どもを預けることへの罪悪感を感じる母親がいまだ多いといい、「少しでもリフレッシュする時間は必要」と短時間でも利用を勧めている。コロナ下では子育て関連施設の閉所などで情報交流の場も減ってしまい、「『一人で頑張らなきゃ』と思っているお母さんたちはたくさんいると思う」とし、孤立しがちな母親の精神状態を心配する。

 多くの人に希望する時間で利用してもらいたい一方、担い手は常に不足している。提供会員は、講習会(全13項目24時間)を受講した住民がなれる制度で、昨年度は両方会員と合わせ199人が登録。ただ、子育て世代や働きながら提供会員に登録している人は、夕方の援助ができないケースが多い。また、感染の不安から子どもの受け入れに慎重になっている人も少なくない。実働できているのは40人程度で、「決まった人への負担が大きくなっている」(羽賀さん)。高齢化も進み、199人のうち60歳以上が35%を占める。

 市内の自宅でサロンを経営する長田明日香さん(31)は、数少ない若手の提供会員の一人。母親に誘われ、親子で講習会に通った。現在は、週1回の送迎をベースに依頼が入るとサポートに向かう。「とても意味のある活動だと思っている。やっていて今のところ楽しい」と長田さん。子どもたちと接する中で自身の学びも大きく、「(自分に子どもが生まれる前に)子育てについて少しでも知っているといないとでは、全然違うと思う」と話す。(牧内奏)



 今年度の第1回提供会員講習会が6月6~16日に開かれる。申し込みを6月1日まで受け付けている。

 小児看護の基礎知識や軽食づくり(実習)など13項目。

 対象は市内在住の20歳以上。参加無料、託児無料(定員あり)。会場は市保健福祉センター(東8南13)と帯広ファミリーサポートセンター(西20南5、ぷれいおん・とかち内)。

 保育士や保健師などの有資格者は一部講習が免除になる。問い合わせ・申し込みは同センター(0155・66・4285)へ。


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