「もったいない」も考えものです…
先日、息子と会話していて、気づいたことがあります。
息子の所属している野球部で
「やめたい」と言っている後輩がいるそうで、
そこから、いろんな話をしました。
部活動でも学校でも、
大人になったら勤め先でも、いろんな問題は起こります。
その時「やめるのか、続けるのか」
という選択は一生ついて回るテーマですよね。
息子に「どうしてやめないで続けようと思うの?」と聞いてみました。
てっきり「野球が好きでやりたいから」だと思いきや、
「もったいないから」という答え。
え?何がもったいないの?
と、その理由は、今まで信頼関係を作ってきたことだったり、
長く続いている部活動の歴史と伝統の話だったり。
そこで私は、全然関係ない話なんだけれど、
自分が20年近く勤めた組織を離れる時に、
上司や同僚、知り合いから数限りなく言われた
「今やめたらもったいないよ」
という言葉を思い出し、心の中で苦笑しておりました・・・。
「せっかくここまで続けたのだから」
「ここまで多大な投資をしたのだから」
こういう考え方が、
自分の本当の気持ちと違う選択をさせてしまうことがあります。
難しい言葉では「埋没コスト」などと呼ばれるものです。
これ、本当に厄介だなあと思います。
大きなものでは、一度始めたら止められない公共事業、
小さなものでは、自分の仕事や趣味の活動など、
世の中「せっかく○○なのにもったいない」は、
ものすごくたくさんあふれています。
私自身、長年こういう考え方で行動してきたと思います。
子どもにも、結構、言ってきたと思います。
習い事なんかでも、子どもがやめたいと言っているのに、
「せっかくここまで習ったんだから、もったいないじゃない!」って。
でも、ある時、それが全然意味がないことに気づきました。
大事なのは「今、どうしたいのか」だけなんですよね。
人は、成長したり環境が変わったり、
新しいことを学んで視野が広がったりすることで、
今までは必要と思ってきたことが要らなくなるのが当たり前なんです。
続けてきたことをやめるのは、
過去の自分を否定することでもなんでもなく、
新しい段階に進むことであり、
時間やお金などの貴重な資源の投資先を、
過去から未来に切り替えることでもあるんです。
一度やめたものを後からまたやり直すことだって悪くない。
やりたい時が始めるべき時、なんですね。
お母さん自身も、そしてお子さんも、
「今やりたいことに全力」が一番いい!
「もったいない幻想」にサヨナラするだけで、
心軽やかになることも多いんじゃないかな、
息子との会話でそんなことを思ったのでした。
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首藤ひろえ
オフィスひびき代表。自己承認度を高める「ネイチャー理論」と
深く心を聴く「聴心力」で、どんな人でも自分らしく幸せな生き方
に導くコーチングを実践。夫と息子の3人家族。広尾町在住。
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