【子育てニュース】ゾウ飼育の現状考える~映画「天王寺おばあちゃんゾウ春子 最後の夏」の上映会とトークイベント
大阪市天王寺動物園のアジアゾウ「春子」の晩年を追ったドキュメンタリー映画「天王寺おばあちゃんゾウ春子 最後の夏」の上映会とトークイベントが21日、帯広市図書館で開かれた。約100人が訪れ、春子と飼育係、来園者とのエピソードや思いに涙した。 (松田亜弓) 【2018年4月22日付十勝毎日新聞に掲載】 【写真説明】(左から)西村飼育係、人見監督、増田カメラマンのトークに来場者が聴き入った会場。多くの子どもたちも訪れた 帯広市教育委員会、十勝毎日新聞社主催。同社の「動物園のあるまちプロジェクト」1周年記念イベントで、天王寺動物園からゾウ担当飼育係の西村慶太さん、映画を制作したテレビ大阪の人見剛史監督、増田健カメラマンが来場した。 映画は春子が2014年に66歳で死ぬまでを追ったドキュメンタリー。老いと闘いながら来園者の前に立ち続けた春子に寄り添う飼育係、そして市民との結び付きの日々が描かれ、会場に静かな感動が広がった。 第1部は映画上映と3人によるトークで、西村さんは「『飼育』していると思ったことはない。春子はたくさんのことを教えてもらった恩師のような存在」と春子との日々を振り返った。 第2部では、西村さんとおびひろ動物園の柚原和敏園長の2人によるパネルトークが行われた。国内のゾウ飼育の現状や課題について意見交換し、新たなゾウの導入や繁殖の難しさからゾウを飼育する動物園は少なくなっていることなどを説明した。 おびひろ動物園の57歳のおばあちゃんゾウ「ナナ」について、柚原園長が元気に穏やかな日々を送っていることを紹介。西村さんは「ゾウは必要とされなくなったら死んでしまう。たくさんの人が会いに来てくれることがナナにとって幸せなこと」と話していた。 図書館では、ナナと春子の歩みを紹介する写真展も24日まで開催している。午前10時~午後10時(最終日は午後4時まで)。