新型コロナ禍を超えて
新学期を迎えひとまず学校が再開しました。
感染予防の対応に課題が多く、
子どもたちが集団生活を再開するリスクが高いだけに、保護者の皆さんのご心痛をお察ししています。
2月末に休校が決まったとき、
日常の当たり前のタイムスケジュールが崩壊し、
有り余るほどの時間を手にした子どもたちは
どんな過ごし方を選択できるのか、興味津々でした。
私は、子どもたちが学校からも
猛烈な部活からも解放され、
いったんリセットできる状況に置かれたことを
プラスに転じたいと心から願いました。
絵本作家の五味太郎さんが、
「不安定だからこそよく考える。
不安とか不安定こそが生きるってことじゃないかな。」と独特の表現で語っています。
「今みたいな時期こそ、
自分で考える頭と敏感で
時折きちんとサボれる体が必要だと思う。」とも。
このイレギュラーな体験をした子どもたちには、
変化に対応できる柔軟な思考と、
命を最優先する感覚を
しっかりと身に着けて
生き抜く力を蓄えて欲しいと願っています。
この新たなウイルスの脅威がいつまで続くのか、
誰にもわかりません。
誰もこの現状から逃れることもできません。
70年前にフランスの作家アルベール・カミュが描いた『ペスト』が、
災厄=不条理に人はどう立ち向かうかを描いていて、
再注目されています。
〈ペストと闘う唯一の方法は、
誠実さ~自分にできる仕事を果たすこと〉
というくだりがあり、
各人が今できる最善を尽くすことが
求められていると感じます。
今私たち一人一人にできることは、
相変わらず生活リズムと食事を整え、
人との距離に配慮しながら、
うがいや手洗いを丁寧に行うことだけです。
怖がりすぎず、適度に体も動かして、
自分や家族の健康を守っていきましょう。
この災厄を超えたときに、
子どもたちに負の遺産を残さぬように。
大人は想像力を駆使して、
協力し合い連帯し、
賢明な選択ができるように祈るばかりです。
*ペスト;中世ヨーロッパで3分の1の人口が犠牲になった感染症。別名、黒死病。
今村江穂(いまむら・みずほ)
1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。
2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。
こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。
2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。
こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。
16歳から24歳までの1男2女の母。
十勝管内芽室町在住。
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