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今日(9月20日)は、母の命日だ。
母は12年前の今日亡くなった。
今でも12年前のあの日のことを思い出す。
妹に危篤の知らせを聞いて
帯広からすぐに駆けつけた時、
母はすでに虫の息であった。

私が病院に着いて
ベッドに横たわる母の手を握って数分後に亡くなった。
妹達は
「母さんはお姉ちゃんを待っていたんだよ。」と…

母が息を引き取ってからは、
あまりよく覚えていない。
ただ、ただ、悲しくて、信じたくなくて、
もう一度自分の名前を呼んでほしくて…
母の亡骸に
「母さん、母さん」
と呼びながら抱きついていたことだけが思い出される。

先日、実家に帰り、
写真が趣味だった父の荷物から
大量に撮り溜めた昔昔の写真が出てきて、
妹と選別した。
風景や、父がボランティアで続けていた
緑少年団の活動写真もかなりあったが、
一番多かったのは、
やはり私達家族の写真だった。

父がファインダー越しに覗いたその先には、
いつも私達家族がいた。
愛する妻がいて、
愛しい三人の子供達がいたのだろう。

私が一番嬉しかったのは、
赤ん坊の自分が母に抱かれて
その後ろに優しげな顔で立っている父が
写っている親子三人の写真を見つけた時だ。

父はいつも写真を撮る側で、
写る側にはいない。
しかし、
珍しく親子三人で写っている
この写真を見つけた時はとても嬉しかった。

三人姉妹の長女の私が
両親を一人占めしていた時期の貴重な一枚だ。
私が両親に愛されて育っていたことは
生前の両親の言葉からもよくわかってはいたが…
こうしてたった一枚の写真を見るだけで涙が出る程、
幸せな気持ちになる。
亡くなってからも尚、
我が子に愛を伝えられる親というのは本当に偉大だ。

今は私も三人の子供の親だ。
どの子もみんな愛おしい。
何処にいても、何をしていても、
いつも彼らを想い、
彼らの健康と幸せだけを願っている。

自分が人の親になって初めて、
自分を育ててくれた親の想いに気づく…
我が子も又、人の親になった時に初めて、
私達親の想いに気づくのであろう。

母の13回忌…
私は改めて母の愛を感じ、
両親に心から感謝するのである。
父さん、母さん、ありがとう❗️と…

保前明美(ほうぜん・あけみ)
旭川出身。帯広市PTA連合会会長を2年、北海道PTA連合会副会長を1年務め、現在帯広市PTA連合会顧問。2016年度日本PTA全国協議会年次表彰個人の部で受賞。放課後居場所広場よんかけサポーターズクラブ代表兼コーディネーター、帯広第五中学校・緑丘小学校学校地域支援本部コーディネーターとして、学校と地域を結びつける役割をしている。社会人の長女を筆頭に1男2女の母。モットーは「和して同ぜず」。

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