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 自転車に補助輪が付いてから子どもたちはあまり転ぶこともなく、自転車に乗れるようになりました。これは素晴らしい発明なのですが、世の中には、どうもこの手の物が多すぎるような気がします。

 子どもに失敗させたくないと考えるのは、当たり前です。しかし、そのために親自身がいつも子どもの補助輪になってしまうのは、子どもにとってよくありません。「子どものために」と思って親がやっていることが、実は子どもの自立を妨げていることが多くあります。

 例えば、子どもが小学校3年生になっても、学校の勉強道具をそろえてしまう親がいます。また、子どもが中学生になっても、「体調が悪いので、今日の体育は休ませてください」と、学校に電話をかけてくる親がいます。欠席の連絡ではなく、体育を休むというのであれば、子どもが先生に言えばいいのです。

 親が子どもの補助輪になってしまっては、子どもを自立させることができません。失敗しないことが大事なのではなく、子どもは失敗しながら成長していくものだという大らかな気持ちを持ちたいものです。

◆◆◆◆◆
2019年に十勝毎日新聞で連載した上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)です。

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