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十勝毎日新聞子育て面(毎週日曜)から、ママ、パパの生の声を伝える特集記事「ニコのびクラブ」をご紹介します!

 かわいいわが子と対面するため避けて通れない「出産」。
「産みの苦しみ」の言葉があるように、
ママになるには長く大変な時間だが、
赤ちゃん誕生は家族にとっても一大イベントだ。
出産にまつわる感動、後悔…エピソードの数々を、
子育て面担当者がママたちを総力取材し、
マタニティー相談所「マミー愛」を主宰する助産師の上出静子さん(65)=芽室=に
出産への心構えなどを聞いた。

(佐藤いづみ、安田義教、小寺泰介、小縣大輝)

【2014年11月16日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです。





/絆深まる立ち会い 「長居は禁物」意見も/

 音更町のAさん(40)は、
現在1歳の子を出産した時、
夫の横で夫の両親が最初から最後まで陣痛室にいたことが今でもつらい思い出として残っている。

「陣痛で苦しんでいる様子をずっと見られ、屈辱的でした。陣痛がひどく『出て行ってほしい』と伝えることすらできませんでした」
と後悔する。

 夫は陣痛中、
ずっと体をさすってくれ感謝しているが、
両親に「出て行ってほしい」と言わなかったという。
さらに夫の両親は出産後、
初対面の親戚を何人も病室に連れてきた。
その都度、長時間滞在した。
「うれしい気持ちはすごく分かります。しかし出産直後で気力、体力が消耗していたので、正直体にこたえました」
と説明する。

 高校と中学の息子を育てる帯広市の母Bさん(40)は、
長男の出産時、安全を期すため会陰切開を選択すると、
狭い病室に研修医らしき若い医師たちが4、5人続々集まり、男性医師が切開用のはさみをチョキチョキ鳴らして近づいてきたことが印象に残る。
「切ることへの不安も相まってぞくっとした。丁寧に縫ってもらいましたが、1週間ほどは立つ、座る、トイレに行くなどの基本動作の痛みに涙が出た」
と語る。

 2歳児のママ、会社員の帯広市のCさん(35)は
初産にもかかわらず、3時間で産み終えた。
「本には12時間以上かかると書いてあったのに…。うまく息めなかったこともあり、落ち込んだが、後に看護師さんとの面談で『冷静でしたよ』と言われ、救われた」
と振り返る。

 立ち会い出産の感動を挙げるママも。
中札内村で4児を育てるDさんは、
医師立ち会いの下で下の子2人を自宅で出産し、
子どもを含め家族が見守った。
「出産当日も日常と変わらぬ環境で大きな安心感に包まれた。出産後は家族の絆も深まり、性に関する話もいやらしい感じにならずに話せている」
と語る。

 4人の子を持つ別の40代のEさんは
「子どもは複数欲しいと思っていた。出産に痛みはあるが、子どもは太陽。夫も極力立ち会ってくれ、自然な形で産めた」
と説明する。

 8歳児のママ、Fさん(41)=士幌町=は、
「勝毎花火大会」を見ると、出産を思い出す。
予定日は9月下旬だが、毎年楽しんでいた勝毎花火大会は「人混みは危ない」と反対された。

予定日より1カ月以上前に破水、心の準備ができない中、大会当日の8月13日に出産した。
へとへとで病室に戻った時、ちょうど窓から打ち上げ花火が見られた。
「早産でしたが、元気に誕生。好きな花火を子どもが鑑賞させてくれたのかなと思っている」
と話していた。


/事前に希望話し合って 「マミー愛」主宰、助産師上出静子さん/

 まず言いたいのは、
出産は自分が思い描いた通り、
スマートにはいかないということ。
「楽になるよう呼吸法を練習したけど、全然できなかった」
と落ち込むママの声も聞きますが、
お産は命を生み出す大事業。
赤ちゃんが出てくる時の痛み、
会陰切開し縫い合わせた後の痛さや不安などは経験した人でないと分かりませんよね。

【写真説明】「お産は予定通りにいかないが、希望を伝えることが大切」と話す上出さん


 私自身、約40年前に2人の子を出産。
特に初産時は3日もかかり、分娩(ぶんべん)台で苦しみました。
あまりの痛みに
「先生早く切って(帝王切開して)」
と絶叫したほどです。

 だから言うわけではありませんが、
出産の痛みは赤ちゃんの元気な声を聞くため避けて通れない道、
そのために自分をさらけ出すのは決して恥ずかしいことではありませんよ。

 最近はどの病院も出産に備え、
妊婦さんには「バースプラン」を書いてもらっています。

 自分の思っていることはまず伝えること。
夫婦間でも同じことが言えます。
「立ち会って支えてほしい」
「あなた(夫)以外の人にはいてほしくない」
など事前に希望を話し合ってください。

 また、不安解消にはいろいろな人の話を聞くことが一番。
両親学級やサロンなど、
人が集まる場所に積極的に足を運び情報収集することをお薦めします。

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