【オススメ本】みんなそれぞれ苦労があるのです~『とんでもない』
『とんでもない』 作・絵 鈴木のりたけ アリス館 「ぼくは どこにでも いる ふつうのこ ぼくにしか できないこと ぼくにしか ない すごいところ そんなの ひとつも みつからない」 そう嘆く“ぼく”がうらやむのは 鎧のような立派な皮をもつ“さい” ところが、そんな“さい”も自分を嘆き、 “うさぎ”のことをうらやましく思っています。 他人から見て、とてもうらやましいことでも 本人にとってはそれが悩みだったりすることってありますよね。 この絵本は、 “物事の本質は表面を見ただけではわからない”という事を教えてくれます。 でも逆に、自分では短所だと思っていることが 実は長所になり得るんだということも、同時に気づかせてくれます。 細部まで丁寧に描かれている絵は、それだけを見ていても飽きません。 動物たちの、かわいげのない心底うんざりしている表情も見どころです。 巻末には“おまけ”もあり 隅から隅までまるごと楽しめる1冊です。