あしあとの森って、どんなとこ?
子どもが、「やりたい」ことを 思う存分にやり尽くす経験は、 子ども時代に最も大切にしたいことの一つ。 誰かに「やらされる」ではなく、 気持ちの赴くままに 夢中になれること、 それこそが遊びの本質です。 ぷれいおんでは、 遊びで育つこどもたちを応援したいと、 あらゆるあそびの場づくりに取り組んでいます。 その一つとして、 自然の懐に子どもたちを誘い、 自然の中であそぶ自然体験活動があります。 子どもが自然に触れ 遊びを通して養える力には、 運動能力、免疫力、 危機管理能力、感覚、 知的好奇心や探究心、 自立性、社会性等々、 自立した社会人として成長発達するために 欠くことのできないものばかり。 「森のようちえん」のような 幼児教育の手法が 注目を集めるようになったのは、 近年これらの「非認知能力」の向上が、 社会的成功との関係で 重要視され始めたからです。 ぷれいおんでは、 これまでも季節ごとに 近隣の野山や川で 遊ぶ機会を提供してきましたが、 定点でじっくり自然と向き合って、 できれば子どもと親だけではなく、 世代や所属を超えた 多様な人たちが行き交う 森のコミュニティーセンターのような 場所を創りたいと思い描いています。 そこでようやくたどり着いたのが、 《帯広の森》。 思えば近くて遠い道のりでしたが、 〈子どもが育つ、森も育つ〉 ための試みを 拠点施設はぐくーむとの協働で着手しました。 現在、 はぐくーむからほど近い森の一角で、 緩やかに遊びの森づくりが始まっています。 5歳の女の子(ななみちゃん)は、 かつて冬の森の雪原に 鳥や獣たちの足あとが にぎやかに行き交う様子を見つけ、 そこに自分の小さな足跡が加わって 大喜びしたそうです。 そんなふうに 自然と人とが一体になれる 森への憧れを込めて、 『あしあとの森』と命名してくれました。 子どものあそび場として 「消費」するいっぽうではなく、 森の生育のために 子どもたちにもできる手入れを 遊びの一部として取り入れ、 四季折々の変化を感じ、 世代を超えたアウトドア、 アドベンチャー体験ができる 場所を目指しています。 いつもは控えめなお父さんが活躍したり、 お母さん同士おしゃべりをしたり、 「よその子」と 「オジサン」「オバサン」が一緒に作業したり。 〈多様性のある場所で、親も子も楽しみながら育つ〉 場所です。 今村江穂(いまむら・みずほ) 1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。 2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。 こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。 2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。 こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。 16歳から24歳までの1男2女の母。 十勝管内芽室町在住。