きっかけはなんだっていい
私の運営する放課後支援施設ことのはに通う生徒で、 最近、調理にハマっている男の子がいます。 まずは包丁を砥石で研ぎ、 紙を切って研ぎ具合をチェック、 それから野菜を切ってくれるのです。 そんな彼が調理に目覚めた理由は“調理道具” 男の子であれば誰もが憧れる“武器” 包丁やキッチンバサミが その“武器”に見え興味を持ったのでしょう。 きっかけは、 アイロンビーズで「中華包丁作りたい」の一言でした。 その日は、タブレットで中華包丁の画像を調べ、 さっそくアイロンビーズで完成させて 楽しんでいたのです。 そこで翌週、 一緒に中華包丁を買いに行くことに。 その日から彼の調理への興味関心がスタートしました。 今もまだ“武器”への憧れとして 調理をしている彼は先日カレーを作った時、 ニンジンをきる時、ジャガイモを切る時、 肉を切る時に食材によって包丁を使い分けていました。 いつかは“包丁”ではなく “調理”に興味を持ってほしいのですが きっかけとしてはよかったのかなと思っています。 小川 洋輝(おがわ・ひろき) 青鳥舎せいちょうしゃ(幕別町)代表。1985年幕別町生まれ。知的障がい者支援施設、知的障がい児・発達障がい児の通所施設での勤務を経て、2015年青鳥舎を設立。「戦力としての障がい者雇用を当たり前にする」をメインテーマに、障がい者雇用のコンサルテーションや福祉事業所の設立コンサルテーションを中心に活動中。趣味は読書。ジャンルは絵本からビジネス書までと幅広く、年間に100冊以上は読んでいる。