新しい生活様式を画一的でなく、年齢層ごとの行動指針を
6月1日、緊急事態宣言下の二度目の休園・休校が解除されました。この日、中学校の学校運営協議会委員として、子どもたちの通学時間の見守りに参加し、小学生、中学生が登校する様子に立ち会うことができました。 友だちと会える、学校生活が始まる、そんな期待と喜びで晴れ晴れとした表情もあれば、重い体を引きづるようなどこかどんよりした雰囲気の子は生活リズムの乱れかな?それより、今日こうして学校が再開しても家から出られなかった子はどれくらいいるのかな? 2月末から断続的に続いた休園、休校が子どもたちの生活と発達にどれだけの影響を及ぼしているのか、よくよく検証する必要があると考えています。 学校は、子どもの学習の場であるばかりでなく、保健室があり給食があり、虐待や放任的な環境から子どもを保護する安全地帯としての機能も併せ持っています。さらには、校庭や体育館、図書室は子どもの遊びやスポーツ・文化活動の欲求を満たす場所でもあるのです。 子どものいのちと健康を最優先にすべきことを大前提として、同時に、子どもの学びや遊び、文化や自治、社会参加の権利を保障する視点を見失わないようにしなければ。 また、子どもの成長発達の特性から、子ども期は、「群れ」て遊ぶことで身体的にも精神的にも多くを「学び」、生きる力を獲得していく時期。感染拡大を防ぐための《新しい生活様式》が提唱されていますが、非接触型の生活様式は、その学びの機会を奪うことにもなりかねません。 “子どもたちは、触れる、触れられる、抱かれることによって安心を得て外界へ挑戦できる” “小さな子どもほど密接・親密が必要なのだ” こども環境学会では、日本医師会の有識者会議の知見を根拠として、画一的な生活様式のガイドラインを見直し、乳幼児、学童、青年というような年齢層に合わせた行動指針を示すように提言しています。 コロナ対策の一時的なライフスタイルが、長期化することで子どもの愛着形成に重大な影響を及ぼすかもしれないリスクにも十分注視して、地域で連携して取り組んでいきたいものと考えています。 (参照) ・子どもの権利条約31条の会「子どもの権利保障の観点から新型コロナウイルス感染症対策を」 ・こども環境学会「新しい生活様式を画一的でなく、年齢層毎の行動指針を」 今村江穂(いまむら・みずほ) 1967年、北九州市生まれ。97年に帯広市に転入。 2003年~前身帯広西おやこ劇場の運営委員長を経て、2006年NPO法人子どもと文化のひろばぷれいおん・とかちを設立、理事長に就任。 こどもの遊びや体験活動、子育て支援など、子育ち親育ち環境の充実をめざして多世代で活動中。 2013年~帯広市ファミリーサポートセンター事業受託。 こども環境学会認定こども環境アドバイザーも務める。 16歳から24歳までの1男2女の母。 十勝管内芽室町在住。