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 出産直後の母親が陥りやすい「産後うつ」は女性を追い詰める深刻な問題だ。育児負担の偏りがリスクを高める恐れがあることも知られるようになり、政府は男性の育児休業を促進しようと力を入れ始めた。
【2021年5月19日付十勝毎日新聞に掲載】



 厚生労働省は、女性の心身の負担が特に高まる出産後8週間以内に合わせて4週間の休みを2回に分けて取得できる制度を2022年10月にも創設する予定。

 政府は25年までに男性育休の取得率を30%に引き上げたい考えだが、19年度の実績はわずか7・48%。「100%取れるはずの制度でこの現状なのは、旧態依然とした価値観を持つ上司や家族ら周囲の人からの育休拒否に遭っているから」と話すのは、男性の育児を支援するNPO法人ファザーリング・ジャパンの杉山錠士さん。

 「夫自身が育休を取ってみたいと考えていたとしても、『言える空気じゃない』とか『子供が小さいうちは男性の出番がない』、『仕事を休むと周囲に迷惑が掛かり、出世に響く』と思い込んでしまいがちだ」と説明する。

 一方、産後うつは10人に1人が経験するとされる。杉山さんは「診断されなかったとしても、女性の大多数が気分の落ち込みを経験している。産後1カ月の最もつらい時期に支えることができれば、絶対に健康面でプラスだ」と強調する。

 杉山さん自身、放送作家と、家事・子育てを10年以上両立。周囲の無理解に直面したこともあったが、「成長を目の当たりにできるのが楽しく、子どもと向き合う時間も長く持てた」と振り返り、出産直後から男性が育児に積極的に関わるよう勧めている。

 男性も若い世代の意識は変わりつつある。日本生産性本部(東京都千代田区)の17年度のアンケート調査では、男性新入社員の79・5%が「子供が生まれたら育休を取得したい」と回答。女性の働き方やジェンダー問題に詳しいジャーナリストの白河桃子さんは「共働き家庭が増え、『将来育休を取るのは当たり前』と考えている若者は、男女ともに増えている」と解説する。
【写真説明】「育休を取るのが当たり前という環境を会社が作らなければならない」と語るジャーナリストの白河桃子さん(提供)

 白河さんによると、職場が男女ともに子育てしやすい環境かどうかは、金融機関や投資家が環境や社会、企業統治への取り組みで会社を評価する「ESG投資」の観点からも重視されているという。「制度があっても、運用には企業の努力が必要。経営層からどんどん声掛けをするような環境づくりをして」と訴えている。

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