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先日、次女が成人式で遊学先から帰省し、
あわせて社会人2年目の長女もお休みを頂いて久々に家族が集まりました。
成人とはいえ、自分の生き方を探す旅の真っただ中。
四つ年上の長女も、高校在学中の長男も、
それぞれのペースで自分の道探しの途上です。
喜びも悲しみも共感しあい、求められれば一緒に考え、残りそう長くはない子育ての後半戦を味わう日々です。
【写真はぷれいおんの最新活動のスキー合宿です】

 ところで先日、書店の絵本コーナーで、
3歳くらいの女の子と母親に遭遇しました。

幼稚園で先生が読んでくれたその本が、
どんなに素敵だったかを体いっぱいに表現して、絵本をおねだりしている子ども。
たまたまその絵本が、最近の私の一押しでしたので、
つい応援したい気持ちで顛末を見守っていました。

ところが、母親は至極冷静に
「読んでもらったんならもういいっしょ(完)。」
私は、その母親を呼び止めたい気持ちにもなったほど、女の子の深い悲しみに同調していました。

結局、だまって母親の背中を追いかけていく彼女の姿をただ見送ることしかできず・・・。
「お母さん、せめて絵本を手に取ってページをめくって欲しかったな!」

 その光景に出会ってから、
「子どもの気持ちに寄り添える大人を増やしたい!」
という切なる願いに気付きました。
大人の都合を振りかざすばかりでなく、
いったん目の前の子どもの立場になって共感してみて欲しいのです。
そうすることで、頭ごなしに怒ったり、子どもが理不尽な悲しみを味わわずに済むでしょう。
(もちろん、時には毅然とした態度で厳しく接する必要もありますが。)

 振り返ってみると、親に過度に干渉されず、
自由に物事を考え行動する力を蓄えさせてくれたお蔭で今の自分があります。
子どもたちには愛情深く接し、信頼し、丈夫な体をつくるために心を込めて食卓を整える。
それでいい、それで十分だと思う今日この頃です。


*おすすめ絵本紹介*
『なつみはなんにでもなれる』 ヨシタケシンスケ PHP研究所
著者の作品は、どれも子どもへのまなざしに愛があふれている。
例えばこの絵本では、日常の子どもの生態を実に忠実に観察し、子どもの発想力の豊かさを余すところなく表現。
「子どもたちの可能性は無限大なのよ」的な寛大なメッセージを読者に伝えているのだ。どの作品にも、脱力系の画風とは対照的に、子どもへのリスペクトと熱いエールが通底していて目が離せない作家!


今村江穂(いまむら・みずほ)
親子に質の高い観劇の機会や遊び場の提供、帯広市のファミリーサポート事業を受託する、NPO法人子どもと文化のひろば「ぷれいおん・とかち」(帯広市西20南5)の理事長。
1967年、北九州市で生まれる。97年、帯広へ転入。22歳の長女(社会人)、18歳の次女(大学生)、14歳の長男(中学3年生)がいる。

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