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 子どもにとって一番よくないのは、親や大人が簡単に物を与えることです。子どもたちは、「みんな持っているよ」「○○ちゃんは、もう買ってもらったのに…」などと言います。

 子どもに物を買い与えるタイミングについては、いつの時代の親たちも悩み、迷ってきたと思います。何も考えず、すぐに物を買って与えてしまうのが一番よくありません。

 欲しい物があっても、ときには子どもに我慢させることが賢明です。物を持っていることと人間的な成長とは何のつながりもありません。

 物を我慢するということを軽く見てはいけません。なぜなら、物を我慢できる子どもは、精神的にたくましくなれるからです。反対に、物を我慢できない子どもが、結局駄目な大人に育ってしまうという現実は多くの皆さんが知っていることです。

 「買ってあげないと子どものストレスになる」と言う大人がいますが、一時のストレス解消と将来の子どもの自立では、重みが全然違います。物を我慢させ、与えないことは親としては勇気のいることです。しかし、その勇気は、わが子の将来のために必要なものだと思います。

◆◆◆◆◆
2019年に十勝毎日新聞で連載した上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)です。

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