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 排便は幼少期からの正しい習慣付けが大切だ。特に親が注意すべきなのは便秘。そのままにしておくと慢性化する恐れもある。専門家は日々の状態をきちんとチェックするよう勧めている。
【2019年4月21日付十勝毎日新聞に掲載】

子どもの便秘に詳しい小児外科医の中野美和子さんによると、医学的には排便回数が週2回以下または5日以上連続して出ないと便秘とされる。

 便の漏れがあったり、小さな便が何度も出たりするのも便秘の症状。幼少期にこうした状態が1~2カ月続くと慢性便秘症とされる。

 子どもの場合、肛門の手前の直腸に便がたまるタイプの便秘が多く、排便時に大きな固まりの便が出るため苦痛を伴う。我慢すると直腸が広がって鈍くなり、一層排便しづらい状態になる。

 「痛い思いをすると恐怖心が植え付けられ、便意があるのに我慢してしまう。『なぜ出せないの』と親が叱るのは逆効果です」と中野さんは話す。

 便秘が顕在化するのは離乳食の時期や、自分の意思がはっきりして偏食が始まる1歳半から2歳すぎ頃の時期が多いという。大事なのは子どもの体の状態を定期的にチェックすること。家庭でできる確認法として中野さんが勧めるのが、便の形状や硬さ、排便回数などを毎日記録する「排便日誌」の作成だ。

 理想の便の形は、柔らかいバナナ型。大きなおにぎり状や硬くころころした便は便秘傾向を示す。排便時の様子にも注意しよう。トイレに行くが排便しない、わずかしか出ない、トイレの時間が長いなどの場合は記録しておくことが大切だ。

 1週間ほど日誌を付け、2~3日に1回しか排便していないようなら1カ月の長いスパンで記録を継続。バランスの良い食事を心掛け、生活リズムを見直しても改善が見られない場合は病院に相談し、薬の服用やかん腸などの治療を受けよう。

 トイレトレーニングの時期や小学校への入学時も便秘が顕在化しやすい。排便教育に積極的に取り組むNPO法人「日本トイレ研究所」(東京都港区)の加藤篤代表理事は、環境の変化に伴う緊張や不安なども要因として考えられると指摘。「うまく排便できたときに褒めてあげるなど、子どもにとってトイレが安心できる場所になるよう、親がフォローしていくことが重要」としている。

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