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 叱られないで大きくなってくる子どもが増えています。誰もが、できるならば叱らないで子育てをしたいと思っています。しかし、子どもは自己中心的なので、周囲に迷惑を掛けることがあります。そのときは、叱らなければなりません。

 子どもにとっては、叱られることが大事なのではなくて、叱られて「いやな思いをすること」が大事だと思うのです。叱られて泣く、叱られて口をきいてもらえない、叱られておやつがもらえない…。この嫌な状況から抜け出すには、「ごめんなさい」(謝罪)が必要になります。

 「ごめんなさい」が言えず、人間関係が築けない子どもがとても多くなっています。『失敗したら、ごめんなさい』というしつけは絶対に必要です。中学生になって、学校で「ごめんなさい」を教えなければならない生徒がいます。中学校に勤める先生たちは、毎年、そういう生徒が増えていることに驚きをもっています。

 叱ってばかりの子育ては最悪です。しかし、ここぞというときにも叱らない子育ては、子どものたくましさだけでなく、「生きる力」をも奪ってしまいます。

◆◆◆◆◆
2019年に十勝毎日新聞で連載した上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)です。

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