【子育てニュース】「大好きだよ」伝えて、失敗が勉強に~エッセイスト岸信子さん講演
7男3女の母で、エッセイストの岸信子さんの講演会「親もハッピー・子供もハッピー~困難にくじけない子育てのヒント~」が7月20日、帯広市内の末日聖徒イエス・キリスト教会帯広ワードで開かれた。岸さんは豊富な子育て経験から、子どもと向き合う心構えを伝えた。講演内容を紹介する。 (伊藤亮太) 【2018年7月29日付十勝毎日新聞に掲載】 【写真説明】子育ての心構えについて話す岸さん 私も昔、母には子育ての大きな責任があると考えていて、しつけや料理をして、勉強も教えないといけないと考えていた。でも、最近は責任はそんなにないなと思うようになってきた。 子どもには近所の人や友達など、いろいろな人たちが関わってくれる。1人で全部背負い込まなくても育っていく。お母さんは子どもに「大好きだよ」という気持ちを伝えるだけで十分。シンプルに母にしかできないことをやればいいと思う。愛されていると感じて育った子は、自分のことを大切にするし、他人のことも大事にする。 私の子育ては失敗ばかりだったが、本の知識や他人のアドバイスよりも失敗した方が勉強になった。自分の価値観や経験で子どもを怒ってしまい、失敗することが多かった。 子どもは大人には意味がないように見える、とんでもないことをする。でも、子どもにとっては大きな意味があり、その裏側には親への愛情や好奇心にあふれているということが分かった。 子どもの行動は一瞬見ただけでは判断できない。どういう意味があるのか考えたり、聞いてあげたりしてほしい。そうすると無駄な摩擦や腹を立てることはなくなる。 子育てでは「絶対こうしないといけない」というような気持ちは持たないで。私の夫は失敗したとき「完璧な母親なんていない。次でまた頑張ればいい」と言ってくれた。「なるべくこうしよう」ぐらいの気持ちで臨めば、失敗しても少しずつ先へ進んでいける。