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当たり前のことなのに…

先日、プライベートではあったが 所用のため東京に出かけた。 帰りの飛行機では 三列シートに私と 2歳程の男の子を連れた若いママが座った。 ちょうど真ん中の席が空いていたので、 私は母子にとってもゆったりとした席で良かったこと…と思っていた。 男の子の割にはママにぴったりとくっつき、 大人しくしているので、 お行儀の良い子だと感心していたが、 ママは始めから 「ご迷惑をかけるかもしれませんが…」 と私に一言理を入れてきた。 私は子供が好きだし、 自分自身も経験したように 乗り物の中で子供が泣いたり、 多少騒いだりするのは仕方ないこと と思っているのでまるで気にならなかった。 そのうち、 じっとママの膝の上で大人しくしていた男の子が 少しぐずり出した。 そりゃ、そうだ。 飛行機は気圧が変わるから耳も痛くなる。 男の子は泣きこそしなかったが、 何度も耳を触っては母親に甘えながら、 訴えていた。 私も気を紛らわせてやろうと 男の子のおもちゃで少し構ってあげていた。 そのうち、 男の子を連れてママがトイレに立った。 すると、すぐにスチュワーデスが近づいて来て 「大変ご迷惑をおかけしております。お隣のお子様、大丈夫でしょうか?何かご迷惑はかけていませんか?」と。 「いえいえ、全然ですよ。」と私は答えたが、 何だか凄い気の使い用だなと思った。 飛行機が着陸して席を立つ時も、 そのママに 「本当にお隣の席の方が優しい方で良かったです。ありがとうございました。」 とお礼を言われた。 お礼を言われたのは、もちろん嬉しいのだが、 何だかなあ〜 私は、世の中の人々は子供には、 いや子育てには、 寛大であるべきだと思っている。 確かにキチンとした「しつけ」が出来ない親もいて、 例えばご飯を食べる場所であるレストランで 走り回る我が子をまるで注意しない親がいるのも事実だが、 まだ物心つかない赤ん坊のような 子供を育てている若い親に 「子供を静かにさせろ!」 とは注意ではなく、 言いがかりだと私は思うのだ。 「子供は泣くのが商売だ。」 私の祖母がよく言っていた言葉だ。 私達大人は、 どんなに時代が変わっても、 よその子供達が泣いたり、 騒いだりする声を毛嫌いする必要はない。 少なくとも私は 自分が小さな我が子を育てていた事を思い出し、 「ママ、頑張れ❗️」 と応援したくなる。 「子育て」はだからこそ、 大変だし、やり甲斐があるのだ。 小さな子供を育てている若いママ達よ! 大丈夫だよ。 大抵の人達は、みんな応援してるから…当たり前のことだから… 若いママを見て、私の娘もいつかこうして、孫を連れて実家に帰る日が来るんだろうな。と重ね合わせてみたりした。 保前明美(ほうぜん・あけみ) 旭川出身。帯広市PTA連合会会長を2年、北海道PTA連合会副会長を1年務め、現在帯広市PTA連合会顧問。2016年度日本PTA全国協議会年次表彰個人の部で受賞。放課後居場所広場よんかけサポーターズクラブ代表兼コーディネーター、帯広第五中学校・緑丘小学校学校地域支援本部コーディネーターとして、学校と地域を結びつける役割をしている。社会人の長女を筆頭に1男2女の母。モットーは「和して同ぜず」。

保前明美
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