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【リポートTOKACHI】

【芽室】町の「遊ぶ・食べる・学ぶ 風の子めむろ」がスタートして、1カ月が経過した。小学生~高校生を対象に学習支援や食事の提供などを行う場で、住民もスタッフとして参加したり食材を提供したりして事業に関わっている。町は地域内の連携を広げて、子どもを見守る環境を整えていく考えだ。
(澤村真理子)
【2018年2月20日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです。



【写真説明】ボランティアの高校生と夕食を囲む子どもたち。自治体主体の子どもの居場所で食事提供までを行うのは珍しい


/住民参加 食材提供も 芽室「子どもの居場所づくり」1カ月 世代間交流、団らんの場に/

 「こんにちはー」 

 13日の午後3時すぎ。公民館の和室に、授業を終えた小学生が姿を見せはじめた。スタッフが「おかえり」と出迎えると、男子児童の1人が「今ね、クラスの6人がインフルエンザなんだよ」と話し掛けてきた。場が一気ににぎやかになる瞬間だ。

 「風の子めむろ」は道の子どもの居場所づくり推進事業(2年間の補助)を活用、1月16日から毎週火曜の午後2時~同8時、町中央公民館で開設している。これまでの利用者は1~3回目が10人、4、5回目は13人となっている。

 子どもたちは好きな時に出入りし、希望すれば無料で食事も取ることができる(午後4時以降、大人は有料)。自治体が行う同種の事業で、食事まで提供するのは珍しい。

 運営を受託しているのが帯広のボランティア団体「WEW(ウィー)とかち」。代表の若菜順さんら4人のスタッフが常駐し、地域住民もボランティアスタッフとして関わる。町内に住む八嶋利永子さん(35)はボランティアの1人。発達障害のある長男(8)を登録し、自らスタッフとして調理に当たっている。

 夫が単身赴任中で夕食はいつも2人きりという八嶋さん。また、発達障害の児童を持つ保護者には、学童保育に通わせたり、デイサービスを利用したりすることに不安や抵抗があるとする。「こういう場所なら来やすい。大人や他の子どもたちと関わることができるので、息子にとってよい経験にもなる」と語る。

 ボランティアスタッフは高校生も含めて毎回5~7人。この日初めて参加した町内の女性(64)はチラシを見て応募した。「子どもが好きだし調理の補助ならできると思った。子どもたちに喜んでもらえたらうれしい」と笑顔をみせた。

 「風の子めむろ」は子どもの見守りを通して、異世代の住民同士が交流する場にもなっており、若菜さんは「住民の熱い思いがとてもうれしい」と話す。スタッフ支援のほか、住民が食材として野菜を提供してきたケースも3件出ているという。

 今後は、学校や関連団体などとの連携強化も大きな課題。町は「子どもの課題を早期に発見し、対応する素地は整いつある。地域住民がいろんなチャンネルで関わる形をつくることができたら」(子育て支援課)としている。

<道子どもの居場所づくり推進事業>
 放課後や夏・冬休みなどに学習や食事、団らんを通じ、子どもたちの課題を早期に発見して育ちを支援する事業。市町村が実施主体となり、ボランティア団体などと連携して事業展開する。2016年度に事業化され、初年度は中標津町(根室管内)と天塩町(留萌管内)が活用した。

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