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 子どもの世界を広げ、感性を育んでくれる絵本。
親としては、子どもに一冊でも多くのすてきな絵本との出会いをと願うあまり、
本屋さんの書棚の前を行ったり来たりすることも。
みんなはどんな絵本を手にしているのだろうか。
帯広市図書館の貸し出しランキングを調べてみた。
併せて、書店員によるお薦めの新刊絵本も紹介する。

(丹羽恭太)

【2017年3月19日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書き等は掲載当時のものです。


 市図書館の今年度(2月末現在)の貸出数は、
「バムとケロ」シリーズが1~4位を独占した。
しっかり者の犬の「バム」と、
いたずら好きのカエル「ケロ」によるほっこりするストーリー。

絵の中には細かな仕掛けがたくさんあり、
何度読んでも読み飽きない。
第1作の出版から20年以上が経過しているが、
根強い人気がある。

 5位以下は今の子育て世代におなじみの作品が並ぶ。
同館のお薦め作品10冊をセットにした「プチトマト」バッグに入っていることも、
貸出数を押し上げているという。
司書の西岡幸子さんは
「どれも名作で、今のお父さんお母さんたちが子どもの頃に読んだ作品を、子どもにも読ませたいとの思いで借りられているのでは」
と話す。


/大人が読んで面白い作品を/

 ロングセラーから新作まで多くの絵本がある中で、
とっておきの一冊をどう選んだらいいか。
西岡さんは
「大人が面白いと思えない作品は、子どもも楽しめないことが多い。まずは大人が読んで面白いかどうかで選んでみて」
と勧める。

/「MOE」大賞は「もうぬげない」/

 絵本の月刊誌「MOE」が主催する「第9回MOE絵本屋さん大賞2016」が、同誌2月号で発表された。

同賞は15年10月~16年9月頃に出版された絵本の中から、
全国3000人の絵本専門店・書店の児童書担当者の推薦で決定した。

 1位は、普通の子どもの日常にありそうなユーモラスなシーンを描いた「もうぬげない」。
作者のヨシタケシンスケさんは3度目の1位受賞で、
今年は2位にもヨシタケさんの作品が入った。

 その他、同賞の常連から新人まで幅広くランクインした。
同誌によると「絵本は子どもだけの読みもの」という固定観念の枠が外され、
子どもも大人も自由に絵本を楽しむ機会が増えてきているように思えるという。
そうした読者の多様化が、ランクインした作品の多彩さにも表れているようだ。

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