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 参院選の投開票(7月10日)まで1週間。子育て世代の中には、育児しやすい環境になることを期待して1票を投じる人も多いはず。各党が掲げるさまざまな子育て支援策を概観してみた。
(丹羽恭太)

【2016年7月3日付十勝毎日新聞に掲載】
※記事の内容は掲載当時のものです。

保育所、育休…でも財源は? 政策見極めを

多くの子育て世帯にとって切実な問題が家計。いずれの党も、「児童手当の拡充」「保育園から大学までの無償化」「奨学金制度の充実」「子どもの医療費無料化」「学校給食無料化」など、あの手この手で有権者のハートをつかもうとしている。


ただ、どの政策も、どの程度の経費を要し、その財源をどう手当てするのかは明示していない。有権者としては、話半分に聞いておくぐらいがちょうどよいのかも。
【写真説明】子どもの未来のために1票を投じる有権者(帯広市役所内の期日前・不在者投票所で)

待機児童は解消!?

「保育園落ちた。日本死ね!」ブログでクローズアップされたこともあり、待機児童問題の解消を約束する党も多い。

ひとくちに待機児童解消と言っても、そのために認可保育所を増設すべきとする党がある一方、事業所内保育施設の充実や設置基準などの規制緩和をすることで、保育の受け皿を確保できると主張する党もある。
保育の「量」と「質」のどちらに重きを置いた政策なのか、見極める必要がありそうだ。

 子育てと仕事を両立するため、育休制度の充実や長時間労働の是正、ベビーシッターの支援などを掲げる党も。
こうした政策を「女性活躍社会」の文脈で語ったり、「イクメン支援」と位置付けるところもある。

表裏一体のものにどちらからスポットを当てているのかをみると、育児は女性が担うものとの考え方が大前提にあるのか、両性の対等な関係を目指しているのか、それぞれの党のカラーが透けて見える。

多世代同居もテーマ 現役世代の負担軽減
 イクメンといえば“イクジイ”“イクバア”の力を活用しようと複数の党が、多世代同居を推進する住宅政策を掲げている。
今は子育ての「手」として期待されている元気なおじいちゃん、おばあちゃんも、数年後には介護を受ける側に。
孫がいる人たちはそのことも念頭に置きつつ、今回の選挙を、子どもたちと多世代同居について話し合うきっかけにしてみては。

子どもたちの未来のために
 今回の参院選では12の名簿届け出政党のうち、「支持政党なし」「国民怒りの声」を除く10党が何らかの具体的な子育て支援策を打ち出している。
ほとんどが現役世代の負担軽減につながる歓迎すべきものではあるが、これまで公約の多くが空手形に終わってきたことも事実。

 目の前の餌に踊らされず、子どもたちの未来にとって本当に重要なことは何かを考えて1票を投じたい-。
各党はホームページなどで公約を公表しているので、投票先を選ぶ一助にしてみては。

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