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 近い将来、発生の可能性があるとされる南海トラフ地震や首都直下型地震などの大災害のほか、毎年のように豪雨や台風による水害も相次ぎ、子どもにもまさかの事態に備えることの重要性を伝えていく必要がある。家庭でどのように防災意識を養えば良いか、専門家に聞いた。
【2019年09月15日付十勝毎日新聞社に掲載】

 東京臨海広域防災公園(東京都江東区)の管理センター長、丸山浩司さんによると、子どもに防災への関心を持たせるには、幼いうちからさまざまな「体験」を積ませることが大切だ。
 有効なのは、体験施設を活用すること。同公園内にある防災体験学習施設「そなエリア」では、首都直下地震直後の街並みや避難所を再現。訪れた人々は、その様子を見て回りながら防災クイズに取り組み、知識を深められる。
 こうした防災施設は各地にあり、火災時の煙体験や豪雨・台風時の水圧・風圧体験などが可能な所もある。また、施設を利用しなくても、自宅で電気や水が使えない状態の疑似的な再現や、災害用伝言ダイヤルの体験利用も被災時をイメージする経験になる。
感じたこと
話し合って
 体験後には、感じたことを家族で話し合おう。「災害を自分のこととして捉え、次の行動を促すきっかけになる。『具体的にこういうことをやってみよう』と話が進むと、家庭の防災力は高まります」と丸山さん。
 話し合いでは、例えば地域の避難所の場所を確認し、どの道を通れば安全に避難できるかをシミュレーションしてみる。被災時に家族全員がそろっているとは限らないので、はぐれても出会えるよう集合場所の情報を共有しておくのも良い。
マップ作り
地域歩いて
 自分の住む地域をよく知る行動も重要だ。自治体のハザードマップなどを参考に「海岸に近い」「山に囲まれている」といった地域の特性を示した自家製マップを子どもと一緒に作り、実際に歩きながら危険な場所の情報を共有するのも実践的だ。
 また、普段から近隣住民と交流を深めておくことも大事だ。「災害時は顔の見える関係が支えになる。まずは家族で地域の防災訓練に参加してみることが大きな一歩になります」
 災害から時間がたつと防災意識は記憶とともに薄れてしまう。日ごろから話題にするなど、子どもの日常の中で当たり前にしていくことが重要になる。「今は防災に触れる機会も多く、さまざまな体験ができる環境にあります。幼い頃の経験は記憶に残るので、ぜひ家族で取り組み、体験を行動につなげてもらえれば」と丸山さんは話す

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