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 小学校での話です。「通知表にAが10個あったから、ゲーム買ってもらったさ」などと、うれしそうに話している小学生がいました。小学校では、この手の話が少なくありません。しかし、親がいつもこんなことをやっていたら、子どもは確実に駄目になっていきます。

 通知表の結果次第で、ごほうびを買い与える家庭で育つ子どもに、たくましい人生はあまり期待できないと思います。通知表にAが10個あったら、褒めてあげればよいのです。

 親は甘い環境で子どもを育てることに用心する必要があります。すぐに、物を与えたり、高価な流行の物を着せたりするのは、子どものためになるのかをしっかり考えてほしいと思います。親自身が満足しているだけなのかもしれません。

 親には子どもを自立させなければならない責任があります。そのためには、甘い環境をつくらず、子どもにがまんする体験、叱られる体験、負ける体験をさせることに価値があることを理解してほしいと思います。

 なぜなら、そういう体験を通してこそ、子どもの心が強くなり、我慢する習慣が身に付くからです。

◆◆◆◆◆
2019年に十勝毎日新聞で連載した上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)です。

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