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 国の「GIGAスクール構想」により、今春から十勝管内の小中学校で「1人1台」のタブレット端末を使った教育が本格化している。学校生活でどのように活用されているのか。積極的に模索する学校を訪ねた。
(高田晃太郎)
【2021年6月23日付十勝毎日新聞「教育・子育てのページ」より】


■「9問正解!」「やったー」

 音更下音更小(児童305人)の1年1組では、今月中旬から、10分間の朝学習の時間で、足し算を練習するアプリに取り組んでいる。10問連続で出題され、画面上の0~9の数字に手で触れて解答する。水上宗大(そうた)君(6)は「すぐに答えが分かるし、ゲームみたいで面白い」と笑顔を見せた。


【写真説明】タブレットで足し算練習に取り組む下音更小の1年生

 担任の富谷唯士(ただし)教諭(23)は「プリントだと、時間内に解き終える子もいるが、アプリなら何度でも新しい問題に挑戦できる。休み時間もやりたいと、子どもたちは楽しみながら学習している」と手応えを語る。

 同校は週3回、朝学習の時間を設け、計算ドリルのほかにタイピングを練習したり、社会科などの教科書のQRコードを読み取って資料を観賞したりと活用の幅は広い。健康観察として、朝の体温や体調を入力するクラスもある。同校でタブレット活用を推進するICT部の片岡彩香教諭(29)は「まだまだ手探りだが、できることを増やしていきたい」と意欲的だ。

 帯広広野小(児童29人)は朝日小学生新聞デジタルと契約。3年生以上は朝学習で週1回、タブレットで記事を読み要約する。国語の授業でも使っており、出村聖教頭は「限られた時間で要約することで、他教科にも通じる読解力を高めたい」と狙いを語る。

 帯広森の里小(児童269人)では、6年生の家庭科で活用。「クリーン大作戦」と題し、校内でほこりがたまった場所を撮影して共有し、掃除の改善点を話し合った。

 保護者が集まる場で利用する学校も。帯広つつじが丘小(児童234人)は、修学旅行の保護者向け説明会で1台ずつ貸与し、児童が訪れる観光地の動画視聴などで役立てた。志田直樹教頭は「自分のペースで見たいものを見られると好評だった」と振り返る。

【写真説明】タブレット画面の足し算問題

 帯広栄小(児童404人)は新型コロナウイルスや災害時の休校を想定し、今月上旬に全校児童がタブレットを持ち帰り、自宅でデジタル学習ドリルに取り組んだ。「どの家もスムーズにWi-Fi(ワイファイ)につなげられることが確認できた」(新津貴裕教頭)といい、休校時には15分程度の授業を録画し、学習に役立ててもらう。新津教頭は「録画方式は、授業を止めて考えられるのが利点。教科ごとに、録画での授業方法の検討を進めている」と語る。

 市内では、オンライン授業を試行した中学校もあり、ネット環境がない家庭に対しては、市教委がワイファイルーターを貸与した。視察した市教委の高橋譲学校教育指導課長は「生徒たちはすぐになじんだが、授業時間や板書の書き方など、まだまだ改善の余地がある。より良い方法を探っていきたい」と話している。

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