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 離乳食を乗り越え、夜泣きも減ってほっとしたのもつかの間、おしっこの間隔が空き始めた頃から、お母さんたちが気になり始めるトイレトレーニング。「ママ友」情報や育児書などをチェックすると、「大変そう」と始める前から気が重くなってしまいがちだ。帯広市子育て支援センターあじさいを訪問し、お母さんたちから体験談などを聞いた。(佐藤いづみ)



(2013年1月27日付十勝毎日新聞ライフ・子育て面に掲載)
 ※文中の肩書き、年齢等は掲載当時のものです。

トレーニング開始も、中断…

 「何度か、完全にできそうな時期があったのですが…」と話すのは、2歳10カ月と6カ月の2人の男の子を持つAさん(31)。長男のトレーニングを今、中断している。

 長男の通っていた保育園は、1歳半くらいでトイレの練習をしてくれた。家でも、おまるに座らせたところ、するようになり、自然と教えてもくれ始めた。もう少ししっかりやろうとした矢先、次男の妊娠で体調が悪く、家事の負担も考え、布パンツから紙オムツに戻した。

 さらにある外出時、「トイレに行きたい」と何度も言われたが、近くに大人用しかなく、長男が大きな穴を怖がり、させられなかったことが。「今はおしっこの間隔が短く、トレーニングできない。私自身、2人の育児などで心の余裕がない」と肩を落とす。

 8月に2人目を出産予定のBさん(34)は昨年秋から、2歳7カ月の長男をトイレに誘ってみることから始めたが、成功は1回だけ。現在は中断。「冬は寒いので(床などが)汚れることに覚悟がなかなかできない。(出産前の)春には再開したい」という。

 日々の育児の忙しさがさらに増すことへの不安感から、「一歩」を踏み出せない悩みの声が少なくなかった。また、その影響か、保育園や幼稚園に行った(もしくは行く)のを機に始めたとの声も聞かれた。

成功したら、写真も

 一方、5歳と1歳7カ月の女児2人を育てるCさん(35)。長女のトレーニングを始めたのは2歳10カ月のとき。夜間も含め、3カ月ほどで終えた。心掛けたのは、怒らないこと、褒めること。成功したときは写真を撮ったことも。

 「スタートが周りより遅かった分、漏らして汚すのも当たり前と、ハラをくくったのが良かったのでしょうか。次女の出産前で、長女だけに時間をかけられたことも大きい」と話す。

 7カ月から始めたママも。2歳6カ月の娘を持つDさん(35)は、途上国の実践例、オムツなし育児の本を読んで感銘。生後数カ月がたった頃から、母乳を飲み、おしっこするまでの時間やクセなどを毎日一定時間、観察した。出そうな頃を見計らい、おまるに座らせたところ成功。自分から「しっこ」と言うように。夜間も含め、1歳3カ月で完了した。

 5歳の長女のトレーニングを、2歳10カ月から数カ月で完了させた2児の母・Eさん(37)は「トイレに布で作ったお気に入りのキャラクターを張ったり、絵本を置くなど、トイレを子供が好きになる環境づくりに努めた」と秘訣(ひけつ)を説明した。他のお母さんからも、「うまくできたら、幼児雑誌の付録のシールを張って達成感を持たせた」「何かやっている途中には、トイレへの声掛けはしない」という意見があった。



責めず、焦らず…親自身気持ちに余裕を

 帯広市子育て支援センターあじさい職員の山崎政子さんは、幼稚園教諭の経験が長く、母でもある。トイレトレーニング(以下トレーニング)のコツなどを聞いた。

 -始める時期は?

 年齢というより、子供の成長具合にポイントを置いた方がいい。(1)おしっこの間隔が2時間前後になる(2)出そうなときに、くせや動きなどサインを送れるようになる(3)はいはいを経て自分自身で座れることができる-などが目安。まずは親が、おしっこの間隔を知ることが大切。

 -いつまでに終わるのが理想か。

 起きている時間は、時折失敗があってもいいので、2歳半くらいまでに自分でできるのが理想。ただ、子供の成長には個人差がかなりあるので、年齢にこだわり過ぎないで。

 -トレーニングのポイントは?

 「怒らない」「責めない」「あせらない」に尽きる。お漏らし、失敗は当たり前。きのうできても、きょう、できるとは限らない。親のプレッシャーは子供に伝わる。子供が嫌がったら、無理に続けず、中断したっていい。

 -頭では分かっているが、実際始めると難しい。

 汚されると困るとか、面倒だから怒ってしまう面もある。トレーニングの時期は、部屋や布団が汚れて困るような状況にしないでみては。保育園では「模倣」という視点で、1歳児がおまるにまたがる様子を0歳児に見せる場面がある。家庭でも、子供がトイレに興味を持つようなら、大人がするときに一緒に行かせて見せてもいい。また、子供の好きなものをトイレに置いたり、張ったりして、トイレに行きたくなる環境をつくるのも手。

 「できない」といって一人で悩まないで。支援センターなどで話をするだけでも、気持ちが軽くなる。まずは親自身が気持ちに余裕を持つことが大事。

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