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 札幌市の複合商業施設「サッポロファクトリー」(中央区北2東4)に9月14日、子連れ歓迎「働く」をテーマにしたシェアスペースがオープンしました。5歳の娘を持つ働くママの私も興味津々のスペースですが、コロナ禍の影響を大きく受けているとのこと。運営するイロドリトイロの新岡唯社長(31)にお話を伺いました。
【2020年10月09日付十勝毎日新聞に掲載「札幌圏NOW 札幌特派員 若林聖子の遊楽ナビ」より】

/復職苦戦の経験/

 新岡さんは1989年1月、日高管内門別町(現日高町)生まれ。中学、高校を札幌で過ごし、大学は関東へ。人材紹介の会社に入社し、大好きな仕事にまい進する日々を送ってきました。


【写真説明】シェアスペースを運営するイロドリトイロ社長の新岡さん

 2015年に結婚し、16年に出産。しかし、保育園が見つからない、仕事復帰ができないという難題に。17年に保育園を探して首都圏から札幌へUターンを決意。保育園は見つかったが、キャリアを生かせる仕事が見つからない。

 「特に、首都圏から夫の転勤に帯同してきた女性がなかなか働ける仕事がない状況なんです」。そこで新岡さんは、託児付きコワーキング(共同で仕事をする場所)の構想を持つようになった。「仕事も子育てもできるし、同じようなママの悩みは解決されるんじゃないかなと思ったんです」

/ファクトリーに/

 19年に起業し、今年9月、サッポロファクトリー内に念願の託児付きコワーキングスペースを設置し、働きたい子育て世代向けの事業をスタートしました。

 木のぬくもりがあふれるスペース内はWi-Fi(ワイファイ)やコンセントが整ったラウンジや個室、トライアルでの販売に挑戦できるチャレンジスペースなども。見守り託児もあるのが子育てママには本当に助かります(3時間1500円)。


【写真説明】開放感のあるスペース

/コロナが直撃/

 オープンから間もなく1カ月を迎えますが、コロナ禍で想像以上に苦労しているそう。オープンがそもそも2カ月遅れになり、オープン後も連日利用客がゼロの状況が続くなど厳しい状況とのこと。

 利用者の多さを数字で証明しなければ、今後の継続は厳しい現実を突きつけられています。「コワーキングスペースは、そもそも人が集まるところですが、コロナの影響で外出するママたちも減りましたし、本当に難しいです」と話します。

 それでも、新岡さんは前を向きます。まずは必要としている人たちに、この施設のことを知ってもらうこと。諦めずに「私たちは働いてるよ」「札幌には必要な施設」と発信を続けます。「ママやパパのリフレッシュにも活用してもらいたい」と言います。

 「一人で育児をしていると、どうしてもしんどくなるときってあると思うんです。私も3歳の子どもがいて、自分の時間を自分に使えないもどかしさがあります。SNSを見てると、みんな立派に育児をしてるようにも見えて」

 「『しんどい!』『もうヤダ』となる前に、見守り託児を使って少し自分の時間をつくって休んでもらえたら」と話してくれました。

<SHARE&MINGLE SPACE La Salud(ラサル)>
 札幌市中央区北2東4、サッポロファクトリーレンガ館3階。地下鉄東西線バスセンター前駅8番出口から徒歩3分。営業時間午前10時~午後5時。定休日は日曜、祝日。(電話)011・211・0166


<取材後記>
 本当に強い新岡さん。子育てと仕事を両立するために、まだまだ女性には高いハードルがあることを私も痛感していますが、人生の主役は自分。子育てだけに追われずに、ママたちの「好き」を大切にできるようになってほしいと願っています。

<わかばやし・せいこ>
 札幌を中心にフリーでキャスター、ライターなど幅広く活躍。札幌シティガイド、北海道フードマイスター、ジュニア野菜ソムリエ資格も有し札幌観光大使としても活躍。

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