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【スタッフ日記】「子どものため」に、大人ができることは?

植木植木(26)
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 みなさんは、運動会って、ワクワクしましたか? 十勝の小学校では今、真っ盛り。我が家でも、娘が明日、小学校生活最後の運動会に臨みます。
 でも、話をしていると、なんだか娘の小学校と、僕の育った小学校とは、時代なのか地域性なのか、徒競走の考え方にちょっと違いがあるようで・・。
 娘の学校では「タイム順」に並んで走るとのこと。これでは同じ列の人の差はつきにくいですよね。一見競い合っている感じがして、しかも何列もあるので時間短縮ができる、大人にとって効率と見た目の良い方法かとは思います。
 一方で僕の育った当時の池田小学校は、背の順番で走りました。背が低くてもものすごい早い人や、普段威張っていても鈍足な男子などさまざま。人数合わせで2回走ることになった足の速い小さな男の子が、体の大きな同級生を大きく引き離す様子は、観客席から大きな声援と感嘆が漏れたものです。
 いろいろ調べると、最近小学校では徒競走を1年置きにしたり、あるいはクラスリレーだけにするなど、まるで「運動の苦手な子を目立たせない」工夫をしているようです。親からそんな要望が出された、という話も聞きました。
 子供がみんなの前でビリになって落ち込むなど、挫折感を与えないように、という配慮なのか? 我が子が悲しむ姿を見たくない、という親心はわからないでもありません。でも、運動はとても得意で、勉強がちょっと苦手、という子供が輝ける場を、大人が「大人の都合」で奪って良いものでしょうか?
 子供たちはみんな、お互いのすごさをわかっていると思います。あいつは野球が得意、あの子は足が速い、サッカーはうまい、算数ができる、本読みが上手などなど。その中で「あいつに勝ちたい」、「かけっこでは負けるけど、借り物競争では一番になる」「勉強では負けない」などの自分なりの目標を持つのだと思うし、親がしてあげられるのは、そこで自分の経験も含めて話したり、その子の光る部分に気づかせてあげたりしながら、前向きに背中を押してあげることだと思います。
 平等という名のもとに、「徒競走をやめる」ような教育は、果たして本当に子供のためになるのでしょうか? 社会に出ると、一気に競争の中に放り込まれます。社会で初めて大きな挫折や歴然とした能力の差を実感したとき、学生時代を親と教員によって、いじめや挫折などの問題が起きないようにと「平等ガード」で“純粋培養”された子供たちは、そこから自分の強みを自分自身で見つけ出せるのだろうか、と考えてしまいます。差や違いを認識し、認め合い、自分のできることを見つけるところから、人は進歩するのだと思います。
 明日の運動会。娘は「閉会式の司会をする」とのこと。運動はあまり得意ではないので「雨降ればいいのに」とブツブツいっていますが^^; 。人には得手不得手があります。かけっこはたとえ遅くても、順位が何番でも、頑張りが見えればそれでよし。運動会の本来の趣旨とはちょっと違うかもしれないけれど、大きな声で司会ができたら、そっちを思い切り褒めてあげたいな。そんなことを考えながら、運動会好きの父は、娘の思いと裏腹に、ワクワクしながら当日の朝を待っています。

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