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【子育てニュース】芽室病院分娩中止。医師・助産師減り苦渋。厚生、協会、慶愛のみに

 少子高齢化の影響で、十勝の周産期医療の環境が変わろうとしている。公立芽室病院が11月末で分娩(ぶんべん)の取り扱いを中止することを決めた。医療関係者の一部には「設備の充実した帯広厚生病院、帯広協会病院、慶愛病院があるから大丈夫」との見方もあるが、町民や十勝西部から通院していた人からは終了を惜しむ声も出ている。身近な病院から出産できる場所が無くなる中で、母親らが安心して子どもを産むにはどうすればいいのか-。 (澤村真理子、奥野秀康) 【2018年11月24日付十勝毎日新聞に掲載】 【写真説明】分娩の取り扱いを中止した公立芽室病院  2017年の十勝の出生数は前年に比べ3%減の2381人。分娩を取り扱った割合は帯広厚生病院が40%、慶愛病院が40%、帯広協会病院が14%。公立芽室病院は6%だった。  帯広厚生病院、帯広協会病院、慶愛病院には出産時に陣痛から、分娩、回復まで同じベッドで過ごすことができる「LDR」もそろい、設備の面では充実している。これが医療関係者から「大きな影響はない」との見方が出ている理由だ。 /年間で数百件 「母乳」に定評/  ただ、公立芽室病院も帯広と西十勝を中心に、町内外から年間200~300の分娩を取り扱ってきた実績がある。06年にユニセフとWHO(世界保健機関)が推進する「赤ちゃんにやさしい病院」(BFH、母乳育児を奨励する病院)に管内で唯一認定された。母乳で子育てしたい母親や、助産師との距離が近いアットホームな雰囲気が人気で“リピーター”も多かった。  6月に第4子を出産した帯広市の女性(33)は、周囲の母親からの評判を聞いて2人目以降を同病院で出産してきた。「ベテランの助産師さんが支えてくれ、『おっぱいで育てたい』というお母さんが安心してスタートできる環境だった。もし次の子を授かったらどこで産んだらいいのか…」と戸惑いを隠さない。  1人目と2人目を芽室病院で産んだ町在住の女性(32)は、持病もあり3人目は帯広市内の病院で出産したが、出産後には芽室病院の外来で母乳を出やすくする乳房マッサージを受診した。「公立芽室病院は(いざというとき頼れる)お守り的な存在だった」と話し、「子どもたちの立ち会いもでき、思い出に残るお産ができた。『子育てにやさしい町』の芽室から産む所がなくなるのはもったいない」と残念がる。 【写真説明】公立芽室病院の受付横に掲示された分娩休止を伝える張り紙。これにより十勝で出産できるのは帯広市内の3院のみとなる /地元で相談先確保し備えを/  病院側も継続して医師や助産師の確保に努めてきたが、昨年10月から医師1人の診療体制が続き、助産師の相次ぐ退職により分娩対応が困難な状況に。「訴訟リスクも高く、産婦人科を志す医師自体が減っている。常勤医1人体制では医師の負担はかなり大きい」(同病院)と、苦渋の決断を下すことになった。  これについて、帯広保健所で母子保健の指導を担当する中山琴江さんは「やはり残念。(公立芽室病院は)母乳で赤ちゃんを育てたいお母さんたちが、選んでいく病院だったのに…」と利用者らの気持ちをくむ。  ただ「医療機関にも経営がある。出生数の減少が続く中で、医師や助産師の確保や医療提供体制の維持が難しくなるのは仕方がない」とした上で、「町村に住んで帯広まで通院しなければならないお母さん方は、地域の保健師に相談したり、母親学級に参加したりし、困り事への対処方法を考えておく必要がある。よく準備をして出産に臨んでほしい」と話している。 【写真説明】帯広厚生、帯広協会、慶愛には、出産時に陣痛から分娩、回復までを同じベッドで過ごすことができる「LDR」もそろっている(写真は協会病院のLDR) <周産期医療>  妊娠から出産、産後の健診まで、期間は約1年、通院は十数回に及ぶ。長期間にわたって通う必要があるからこそ、「通いやすい身近な病院を」と考える人も多い。広大な十勝では陣痛が起きた際の移動も重要な課題。帯広保健所は「お母さんをサポートするお父さんも、出産前から保健師との相談、通院などに同行して、一緒にさまざまな経験をしてほしい。パパになるために入念な準備を」と呼び掛けている。

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