【ニコのびくらぶ】男の子の育児…ママ大変!?
十勝毎日新聞子育て面(毎週日曜)から、ママ、パパの生の声を伝える特集記事「ニコのびクラブ」をご紹介します!
ママたちからは「男の子の育児は大変」との言葉をよく耳にする。どんなふうに大変なの!?-。今回「ニコのびくらぶ」取材班は、わんぱくゆえにあれこれ振り回される男の子の育児の悩みや苦労について、ママたちに聞いた。
【2016年2月28日十勝毎日新聞に掲載】
※文中の年齢や肩書きなどは掲載当時のものです。
わんぱくで体力勝負!
「とにかく朝起きてから夜寝るまで動き回っている。それに人の話は聞かない。幼稚園のお迎えが来るだいぶ前から用意を始めているのに、気づけばおもちゃの車で遊んでいる。いつもぎりぎりで、『なんで!?』の毎日」
こう話すのは、3歳の男児を持つAさん(37)=芽室。10歳の娘もいるが、行動が全く違うことに戸惑いは少なくない。
冬でも外で遊びたがる息子との外出では、厚着した上にスキーウエアで身を包む。「雪山に登ったり、飛び込んだり…数時間は帰ることができない。性格の違いもあるのでしょうが、男の子の大変さは聞いていた以上」とこぼす。
【写真説明】男の子育児は体力勝負!?-。苦労も多いがやっぱりかわいいというママの声が多かった(本文と関係ありません)
6歳と2歳の男児のママBさん(35)=中札内=は、「家ではボールを投げたりサッカーもするので壁に穴が開かないかひやひや。石や葉っぱをしょっちゅう拾って帰って来るので洗濯時の服のポケット確認は日課。長男はダンゴムシを口に入れたこともある」と話す。
子ども3人のうち、上2人が女児のCさん(32)=上士幌=は末っ子の長男について、「虫が大好き。夏は家族でカブトムシやクワガタ捕りに出掛けると、私の目の前で(虫を)見せびらかし散々な目に遭う。高い所や木登りも大好き。やめるよう言っても聞かないし、落ちて顔をけがしたことも。痛い思いをしても(木登りを)やめないのには驚き」と漏らす。
ヒーローになりきり本気のパンチ 「でも甘え上手」
2歳男児の母、Dさん(45)=幕別=は、テレビ番組のヒーローに憧れる息子をほほ笑ましく思う半面、母親を「悪者」に見立てて攻撃してくるからたまらない。「息子の背丈だと繰り出すパンチやキックは私のすねの辺り、頭突きなら股間に当たるのでとても痛い。ヒーローになりきっているので結構本気。最後はかなり強く怒るまでやめない」と苦笑いを浮かべる。
前出のBさんは「息子のおちんちんにあかがたまって病院に連れて行った。身体の機能がいまいちよく分からないので今後、性のことをどう教えていいのか…パパの出番かな」と話してくれた。
ただ、全員が「息子はやっぱりかわいい」「男の子は甘え上手」と口をそろえる。Dさんは「一日中大暴れしても夜寝るときは『ママがいい』と、ぺたっとくっついてお話しするのが日課。疲れも吹き飛ぶ」と笑顔を見せていた。
(佐藤いづみ、小寺泰介、小縣大輝)
◇◇◇◇◇
「叱るライン」つくって 大阪教育大准教授 小崎恭弘さん
大阪教育大准教授の小崎恭弘さんは保育士出身で、「男の子の本当に響く叱り方ほめ方」(すばる舎)などの著書がある。父親も自身も子どもも男3人兄弟という小崎さんに、男の子の「扱い方」の極意を聞いた。
男の子のことが「分からない」「どうしてそんなことするの?」と言うママは多い。ママも息子も互いに大好きだが、性別も年齢も遠い存在。「絶対に分かり合える」「私の分身」と考えず、「分からなくて当然」「別の生き物」だと意識して関係性をスタートさせた方がいい。
女の子に比べて会話が遅い半面、身体的な育ちが早く、言葉よりも衝動的に行動してしまう。「オタク」で、同じ図鑑を何十回も読むように興味の幅が狭くて集中する。「ドリーマー」で、ヒーローごっこが好きで、リアルと夢の世界がごちゃごちゃ。
叱り方と褒め方は、親のメッセージを伝えるコミュニケーションとしては同じ。叱り上手は褒め上手。でも叱るのは難しい。何でもかんでもでなく、「叱るライン」をつくっては。
小崎家でむちゃくちゃ叱るのは、自分や他人の命や大けがにつながるようなことをしたとき、人の尊厳や気持ちを大きく傷つけたとき。ルールをはっきりさせると、それ以外のことは叱らずに済む。叱るのは短い言葉で、思いが伝わるのは10回叱って3勝7敗ぐらいの気持ちで。3割程度の柔らかさの中で息子を認め、育ててほしい。
(安田義教)
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