【ニコのびくらぶ】恐怖の体験談…飛び出し、誤飲「ひやっと」
親がちょっと目を離した隙に起こりがちな子供の「ひやっと体験」。乳幼児を育てていれば、枚挙にいとまがないほどあるはずだ。今回はそんな「一歩間違えれば…」という“恐怖の体験談”と、その際に得た教訓などを紹介する。
(佐藤いづみ、小寺泰介)
【2015年7月5日付十勝毎日新聞に掲載】
※文中の肩書き、年齢等は掲載当時のものです。
■歩行は常に車道側
Aさん(38)=帯広=の長男(2)はとにかく活発。外で遊んでいてもすぐに手を離し道路に飛び出して車にひかれそうになったことは一度や二度ではない。
そんなAさんが最も怖かったのが、長男がバスに向かって走って行ったこと。バスがブレーキをかけたので危機一髪けがはなかったという。「子供が車にひかれ死亡するニュースなどを耳にすると、人ごとではない。以後、自分は常に車道側を歩くようにしている」と語る。
■子が湯船に沈み…
3~1歳の3児のママBさん(36)=幕別=が選ぶ“ベストひやっと”は、お風呂での恐怖体験。4人で入ることが多く、子供たちの洗いを済ませ、浅めの湯船に入れておき、自分は急いで頭を洗った。途中、気になって目を開けると、下の子があおむけになって湯船に沈みかけていて驚いたという。
「大事には至りませんでしたが、子供の目が見開いていて、その表情が忘れられません。以来、どんなに痛くても、目を開けたままシャンプーするようになった」と苦笑いする。
■たばこを口に
小学5年から4歳の3児のママCさん(41)=帯広=の体験。下の子がハイハイし始めたころ、ちょっと目を離した隙にリビングから玄関まで移動したようで、後ろ姿でお座りしていた。子供の成長ぶりを実感し、回り込むと、たばこを箱から取り出しむしゃむしゃかじっている姿を見てパニックに。
「すぐに取り上げ、うがいができない年齢なので、口の中や周りを水を含ませたガーゼで拭き取る作業を繰り返しました」と語る。外でたばこを吸うため隠すように下においていた夫を厳重に注意し、自身も下には物を置かないようにした。
■手に台所の包丁
1児(2歳)のママDさん=帯広=。台所は危険なので座椅子を置いて子供が入れないようにしていたが、あるとき、気が付くと侵入し、背伸びしてまな板に置いた包丁を片手に取っていた。「慌てて取り上げましたが、すぐに包丁ホルダーのロックをとり付けました」と対策を取った。
■見本示して注意
12歳から5歳までの4児の母Eさん(33)=更別=の家庭も「ひやっと」は日常茶飯事。「危ないものは全てをダメ! と言って取り上げるのではなく、見本を示しながら一緒に料理を楽しむ工夫をするなど、普段の生活で注意して使うべきものなどを徐々に教えている」と話した。
■目を離したすきに…
読者からもこんな「ひやっと」が寄せられた。「息子が1歳半すぎに実母と3人で札幌に行ってゲームセンターで遊ばせていた際、スマホで写真を撮ろうと操作し、一瞬目を離して顔を上げると、長男の姿が消えていた。広いフロア中を探すと、遠く離れた出入り口付近の遊具の車に乗り「ブーブー」と言って運転していた。車に乗ることも年齢的に予想しておらず、移動距離も含め本当に驚いた。以後、遊び場でも10秒も目を離さず、見守るようになった」…。
多くの皆さんが経験する「あるある」体験。いかがでしたか。
【写真説明】高い場所に登って遊ぶ子供を見守る母親。ひやっとする場面は日常さまざまなところにある(写真と本文は関係ありません)
/子育ては「メリハリ」必要/
【編集後記】
先日、次男(11カ月)の排せつ物の中にキラキラ光るビーズを発見。「やっぱり食べていたんだな」。諦めたように肩を落とした妻の話し方に、思わず吹き出してしまった。
遊びたい盛りの幼稚園に通う兄姉2人は、おもちゃ箱をひっくり返し、散らかしたい放題で部屋中を走り回る。その隣で何でも口に入れてしまう好奇心旺盛な次男に、妻や私は一層手を焼いている。長男は階段から転げ落ちて前歯を折り、長女は鼻の穴に豆が入って取れなくなり、救急病院へ担ぎ込んだこともあった。
4人の子供を育てる更別村の女性(33)は取材中、「けがをして痛みが分かって初めて理解することもある。何でも取り上げてしまうのではなく、親はけがの対処法を学ぶことも重要」と話していた。
子供に危険がないようメリハリを付けながら、大らかな子育てを楽しみたいと感じた。
(小寺泰介)
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