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 今春から子どもを幼稚園に通わせる父母は、入園準備に追われている時期。わが子の成長が楽しみな一方で「子どもを立派に通わせなければ」と焦りを感じている人も多いはず。入園式シーズンを前に、帯広幼稚園協会の佐藤みゆき会長(帯広ひまわり幼稚園長)に親子の心の準備や家庭での過ごし方について聞いた。
(文・岡田優人、写真・新井拓海)
【2020年02月19日付十勝毎日新聞に掲載】

 -入園までの期間はどう過ごせばよいか。

 焦らずいつも通りの生活を大事にしてほしい。かわいいわが子だから「きちっと園に通わせたい」「しっかりさせないと」と思うのが親心。心情は分かるが、それが子どもにプレッシャーを与えてしまい親子関係が悪化することも。親は力みが出てくると思うが、いつも通りにスキンシップをして、褒めてあげて、叱るときは叱るという生活を心掛けて。

 -入園準備は何をすればよいか。

 具体的な持ち物は、各幼稚園の考え方で提示が異なるので、それに従って準備するといい。基本的には通園バッグ、手提げ袋、給食やお弁当セット、ハンドタオルなど。手提げ袋などは手作りする人も多いが、裁縫が苦手な方は、購入しても問題ない。入り口から完璧を目指して無理をするとつらくなる。気負わず楽しむ気持ちで自分のできることからスタートした方が実りも多い。

【写真説明】幼稚園で使用する持ち物の例。佐藤会長は「気負わず楽しむ気持ちで」とアドバイス

/変化に焦らない/

 -入園に向けて親子のコミュニケーションは。

 幼稚園では、自分のことは自分でできるよう生活習慣を学ぶ。その中で、自分に肯定的な自信を持てるようになることが大事。子どもは親元を離れ未知の世界に飛び込むので、最初は親から離れるだけでプレッシャー。赤ちゃんに戻ったような振る舞いをする「赤ちゃん返り」も起こるが、親は焦らないで理解してほしい。親自身もこれまで進学や社会に出たときは不安でいっぱいになった経験があるはず。そう思えば大きな器で子どもを許せるのでは。

 -幼稚園と家庭の関わり方は。

 今の時代は共働き世帯が増え、働くママも多くなった。子育てを応援する社会になってきているものの、仕事で多忙な家庭もあることから従来の方法で行う園の行事が難しくなってきた。ただ、行事は子どもの成長を感じられる貴重な機会なので子育てに有効活用してほしい。仕事も子育ても充実させる社会になっていくことが望ましく、園としても早めに予定をお知らせするなど努力していく。

/親としての成長に/

 -親同士の交流、いわゆるママ友については

 親同士の交流は大事だが、無理して全員と仲良くしようと焦ると後々のトラブルになることも。時間をかけて自分に合った生涯の友達を見つけてほしい。子どもが手元から離れると母親は孤独を感じるもの。その気持ちも母子の心を成長させるいい機会にしてほしい。

 -子どもの入園を控える親にアドバイスを。

 子どもの成長は早いです。今を楽しんでください。幼稚園に子どもを預けると、最初は寂しさを感じると思うが、親としてのステップアップにしてほしい。一人で頑張り過ぎずに夫婦や家族で協力しながら子どもを育てることが大切。幼稚園には、幼児教育のプロがいるので、最初は全て任せるくらいの気持ちで大丈夫。肩の力を抜いて子育てを楽しんでください。

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