【子育てを考える①】自立~願う親心が独り歩き
上士幌町教育委員会の笹木卓三教育専門員(61)による寄稿企画「子育てを考える」(全15回)を連載します。
笹木専門員は、1981年、釧路市日進小学校を皮切りに、十勝管内の小中学校に勤務。2018年、帯広第一中学校長を最後に退職した。
本寄稿は、笹木専門員が校長時代に「学校通信」に連載していた文章をベースにしたもの。「子どもの成長や保護者の姿をたくさん見てきた。多くの皆さんに子育てに関心を持ってもらいたいという思いがある」と話している。
(2019年02月08日付十勝毎日新聞に掲載)
※肩書き、年齢等は掲載当時のものです
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子育ての目的は、子どもが「自立」して生活できるようにすることです。親はいつまでも長生きして、子どもの将来を見届けることができません。
また、幼児教育や小・中学校の教育も、子どもの「自立」を目指して行われています。ですから、子どもを一人前にすることが、子育てに関わる私たち大人の重要課題です。
日本では、かなり前から「自立」しない子どもの問題が深刻になっています。このことは、子どもの側ではなく、大人の側に責任があります。子どもが自立しないのではなく、大人が子どもを自立に導いていないのです。
子どもは親のペットでもなければ、アクセサリーでもありません。子どもは人として成長し、やがて地域や国の未来を支えるかけがえのない存在です。この当たり前のことを分かっていないと、子どもが自立から遠のいてしまいます。
子どもにあれもさせたい、これもさせたいと願う親心は十分に理解できます。しかし、その親心が独り歩きをしてしまい、子育てのゴールを見失っているような場面を何度も見てきました。子育てのゴール。それは子どもの「自立」です。
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