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 2018年度に帯広児童相談所が対応した児童虐待相談件数は296件(前年度比16件増)で、2年連続で過去最多を更新した。依然として心理的虐待が大半を占め、身体的虐待も増加傾向にある。関係者は、地域が一体となって子どもを見守る環境づくりの必要性を訴えている。
【2019年12月10日付十勝毎日新聞に掲載】

 虐待の種類別では、子どもがいる場で配偶者が暴力を振るったり、夫婦げんかしたりする面前DVなどの心理的虐待が177件(11件減)と約6割を占めた。身体的虐待が76件(15件増)、ネグレクト(育児放棄)が42件(12件増)、性的虐待が1件と続き、心理的虐待以外の伸びが全体を押し上げている。

 虐待者は実父が166件、実母が96件。実の親が全体の約9割を占めた。

 児相による対応件数は児童虐待への社会的関心の高まりから、全国的に増加傾向に。帯広児相管内に関しては、「まだ心に受けるダメージが軽度のものも多く、深刻度が増しているわけではない」(板橋潔地域支援課長)と分析する。

 子どもを施設などに入所させて親元から引き離す割合は、他の管内が10%前後なのに対し、十勝は比較的低いとみられている。近隣に祖父母や親戚が居住しているケースが多く、頻繁に顔を出すなど見守りをしてもらい、親元での生活を可能な限り継続させている。

 課題は虐待の通報を受けた際の初期対応。帯広児相の児童福祉司は9人。うち児童虐待を専門にするのは2人で、同じ日に複数の事案が発生すると、他の職員が対応することもある。在宅支援は児相単独では難しく、「自治体や学校とより密な連携を取って見守り態勢を構築したい」(板橋課長)としている。

 北海道子どもの虐待防止協会十勝支部の瓜屋譲事務局長は「行政と地域の大人たちが一緒になって目配りし、子どもたちが孤立せず、伸び伸びと成長する環境をつくる必要がある」と訴えている。

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