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 夏休みは自然に親しむ絶好の機会。キャンプなどで遠出する家庭も多いだろう。ただ、幼い子どもがいる場合、親が注意すべき点も多い。幅広い年齢層を対象とした自然体験活動に取り組むNPO法人「国際自然大学校」(東京都狛江市)事務局長の佐藤繁一さんにポイントを聞いた。
【時事】


/山はダニも注意/

 まず、大切なのは事前準備。子どもが安心して自然に親しめる環境を整える。例えば、川や河原など水辺で遊ぶ場合ライフジャケットを着用していれば、溺れても頭が水面から出て呼吸が確保できる。スポーツ専門店などで安価で買えるが、体に固定する股下ベルトが付いているか、体重の10分の1の浮力があるかなどに注意して選ぼう。

 山の活動でも事前準備が欠かせない。登山やハイキングで道に迷うリスクを減らすには、出発前に、地形が分かる無料地図アプリなどで周辺を調べておく。「難解なコースではないから」と油断は禁物だ。併せて、レインウエアや登山靴などの装備も確認を。靴を新調する場合は、事前に家の周辺で履き慣らしておくのが良い。

 また、ウイルスを媒介することもあるダニ対策にも注意が必要。刺されるのを防ぐため、山に入る際には、準備した長袖長ズボンに着替えさせ、ダニよけスプレーで対策をする。服に潜んでいる場合もあるので、帰宅後はすぐ服を脱がせて体を洗う。

/汗で冷える体 低体温症リスク/

 活動場所にかかわらず天候の変化も留意するべき点。天気予報アプリなどで状況を小まめに確認する。また、雷鳴は遠くで聞こえてもすぐに避難する。近くに避難できる建物などがない場合は車の中で待機するか、低地で頭を下げてかがませる。テント内は一見安全そうだが、雷を通すので絶対に避けよう。
【写真説明】「国際自然大学校」事務局長の佐藤繁一さん

 暑い中での活動は熱中症対策に意識がいくが、実は低体温症のリスクも高まる。「子どもは大人と比べすぐに体温が下がる。汗をかき体が冷える場合があるので、しっかり体調のチェックを」と佐藤さんは語る。

/駄目ばかりより 適度な距離感で/

 親の心構えとして大事なのは、子どもの活動を見守ること。幼い子どもは危険察知の力が未成熟で「大人の予想しない行動を取ると考え、親が目配りする必要がある」。ただ、「あれもこれも危険だから駄目」と規制し過ぎると、せっかくの自然体験が窮屈になりかねない。

 基本的には子どもの自主性に任せ、危険な行動を始めたらすぐ制止できる距離感で見守るのがベターだ。「幼少期の自然体験は人生観を決める体験になることも多い。事前準備をしっかりし、子どものチャレンジを応援して」と佐藤さんは話す。

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